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[インタビュー]日本の平和運動団体は総がかりで安保法廃止の闘争を続ける

登録:2015-11-17 01:42 修正:2015-11-18 07:11
福山真劫・平和フォーラム代表 =キル・ユンヒョン特派員//ハンギョレ新聞社

 今年9月、日本では戦後70年間日本の平和を守ってきた“専守防衛”(日本の武力は専ら防御のためにだけ使うという安保概念)原則が事実上崩れる巨大な地殻変動が起きた。 安倍晋三首相が日本国憲法9条を無視して集団的自衛権の行使を骨格とする安保関連法を国会で強行通過させたためだ。

労働勢力との連帯が弱い“反省”
2000万人“廃止”署名運動中
米、東アジア支配体制維持のため
日本の自衛隊の助けが必要
米中衝突すれば韓国・日本は滅びる

 この過程で1960年の安保闘争以来、半世紀ぶりに数十万人の市民が街頭に出て民主主義と平和を守るための大規模抵抗運動を行った。 この運動を主導した「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」(総がかり行動)を率いている福山真劫「フォーラム平和・人権・環境」(平和フォーラム)共同代表(72、写真)は「米国は中東から東アジアまでの軍事的支配体制を維持しようとしているが、少しずつ力量が低下していて日本の自衛隊の助けが必要だ」として「来年の参議院選挙で野党が勝利しなければ安倍政権の暴走を防げない」と話した。

-今年9月、日本で行われた安保闘争は韓国など日本の周辺国でも大きな注目を浴びた。今回の闘争の最も大きな特徴は何だったか。

 「日本の戦後の平和運動は、大きく社会党系、共産党系、特定政党と関係のない市民運動という三つの流れにそれぞれ分かれて発展してきた。 2012年12月に登場した安倍政権は、安保法制改定を通じて日本の民主主義を壊し暴走を加速した。これを防ぐためにそれまで別々に活動してきた運動団体が力を合わせて抵抗運動を進めて行くことに同意した。 これを通じて昨年12月に総がかり行動が発足した。 今後もこの枠組みを通じて抵抗運動を進めて行く予定だ」

-日本の安保法制改定を通じて米日同盟が大幅に強化された。

 「過去10年余り、米国はこれを通じて大きく三つのことをしようとしたと考える。第一は日本の自衛隊が米軍との連繋を強化して米国の意図に則って動くようにすることだ。 それによって海上自衛隊の司令部は米第7艦隊とともに横須賀に、航空自衛隊の司令部は(在韓米軍司令部がある)横田に置かれることになった (今月3日には日本版韓米連合軍司令部と言える「同盟調整メカニズム」もスタートした) 。第二は、集団的自衛権を合憲化し米日同盟の活動範囲を拡大することだ。 この二点が今回の安保法制改定によって実現された。第三に米国が狙うのは(現在沖縄県民の強い反対に直面している)沖縄辺野古の新基地建設だ」

-米日同盟強化の目的は何だと考えるか。

 「米国は中東から東アジアまで自身の軍事的支配体制を確立・維持しようとしているが、少しずつ力量が低下している。 それで一部を日本の自衛隊に任せようとしているのではないかと言える。 しかし、日米は共に中国と直接対決を考えているとは思わない。 中国の国内総生産(GDP)は世界2位だ。 もし東アジアで中国と軍事的衝突が起きれば、米国と中国は大国だから生き残るだろうが、韓国と日本は確実に滅びてしまう。 それで最近の南シナ海での米中軋轢も米国が中国の(海洋進出の)動きを多少牽制しようとする程度ではないかと考える」

-日本社会は結局安保法制の強行通過を阻めなかった。

 「60%もの世論の反対があったが阻むことはできなかった。 第一に、国会周辺や全国の大都市では反対運動があったが、これを全国に広げることができなかった。 韓国もそうだが、日本でも非正規雇用の比率が38%、年間収入が200万円以下の人が1200万人にもなる。 このような貧困層を運動に参加させられなかった。 また、現在沖縄で進行中の辺野古闘争との連係もうまくできず、労働運動との連帯も非常に弱かった。 決定的だったのは国会での与野党の議席差があまりに大きかった。 このような点を今後どのように克服して行くかが重要だ」

-今後はどんな運動を進めて行く予定か。

 「戦争法案の廃止を要求する全国2000万人署名運動を進行中だ。 集会に参加できなかった人々に運動を広げることが目的だ。 その他に毎月19日に国会前集会を行い、29日には日比谷野外音楽堂で「辺野古に基地は造らせない大集会」も開く。 重要なのはやはり来年夏の参議院選挙だ。 野党が力を合わせて戦わなければ勝てない。 今回の参議院選挙で民主党が野党の選挙協力を実現できなければ民主党自体が崩壊しかねない。 すべての社会団体が(候補単一化を通した)選挙協力を要求している」

-最後に東アジアの平和のために日本が堅持すべき態度をどう考えるか。

 「日本はアジア周辺国に対する加害者だ。 しかし慰安婦問題など周辺国が被った種々の犠牲に対するまともな補償をして来なかった。 北朝鮮とは国交すら回復していない。 日本がきちんとした歴史認識の下で、日朝国交正常化など戦後補償課題を解決することを願う。その上でヨーロッパ連合EU)のように経済、政治、軍事を含む「東アジア共同体」などの協力体制を作り出すことが必要だ」

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/717682.html 韓国語原文入力:2015-11-16 21:08
訳J.S(2358字)

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