朴槿恵(パク・クネ)政権の歴史教科書国定化が憲法裁判所(憲法裁)の違憲審判を受けることになった。
京畿道富川(プチョン)に住む小学校4年生のチャン君(10)と母親のソ氏は11日、「憲法上の『教育を受ける権利』と『親の子供に対する教育権』に基づく教科書を選択する権利が侵害された」として「国定化の行政告示などに対する憲法訴願審判を請求した。彼らは請求書で「教科用図書の著作・発行などに必要な事項は、大統領令で定めるという小中教育法第29条第2項と、今月3日に教育部が2017年3月から中学校歴史教科書、高校韓国史教科書を国定で発行することを告示した『教科用図書に関する規定』は違憲だ」と主張した。
請求人たちは、2012年憲法裁が憲法上の「自由に教育を受ける権利」に基づいて、学生の学校選択権を認めたことを根拠として提示した。「自由に教育を受ける権利」には、教科書を自由に選択する権利も含まれるということだ。また、教科書国定化が学校教育に関する基本事項は、法律でこれを定める」と明示した憲法第31条も違反したと主張した。教育部告示のように国会の議決を経ていない形で教科書国定化が決定されてはならないということだ。請求人たちは、「国定の歴史教科書は、教育部を管轄する大統領と政派の影響によって内容が決められることから、教育の自主性と政治的中立性が著しく損なわれる」と主張した。
訴訟代理人であり、チャン君の父親であるチャン・ドクチョン弁護士(50、民主社会のための弁護士会所属)は、ハンギョレとの電話インタビューで「息子がしっかりとした歴史観を持つ市民に成長することを願う心で、一緒に憲法訴願を請求することになった。憲法裁が国定教科書の問題は理念ではなく、法理に基づいて判断する可能性があると思っている」と述べた。
しかし、憲法裁の判断に対する見通しは分かれている。違憲決定が出てくるには、裁判官9人のうち6人が違憲意見を示さなければならず、保守性向の裁判官が多数である憲法裁の構成上、その可能性は少ないということだ。昨年、統合進歩党に対する解散決定の際には8対1の圧倒的結果として政党解散が決定された。イ・ホジュン西江大学法学部教授は「憲法裁判所の裁判官たちの中では、基本権の制限で得られるに公益の方が大きいとして、国定教科書を合憲とする意見を出す人が多いものと見られる」と述べた。新政治民主連合と民弁が、一時は違憲審判請求を検討したが留保したのも、そのためだという。
しかし、請求人側は、過去の憲法裁の決定などを根拠に勝算があると判断している。憲法裁が1992年の中学校国語国定教科書を国の裁量に該当するという理由で「合憲」と判断しながらも、「国定制よりは剣・認定、自由発行制が憲法の理念を高揚する」、「国史(歴史)教科書は、さまざまな見方を紹介するのが望ましい」と判示している。チョ・ヨンソン弁護士は「92年に憲法裁判所の決定が下されてから、20年が過ぎた。それだけ多様性への要求が高まっているため、違憲の可能性も排除できない」と述べた。憲法裁に派遣された経験がある弁護士は、「合憲論理を構成するのも決して容易ではない。まるで首都移転の違憲決定を下す際に動員した『慣習憲法』のように、無理をしなければならず、かなりの負担になるはずだ」と予想した。
韓国語原文入力:2015-11-11 19:57