韓国が米国と中国の間で取ってきた、いわゆる「安米経中」(安保は米国、経済は中国)の基調について国内の外交・安保分野のオピニオンリーダーたちが、事実上、持続不可能な対応戦略だとして、厳しく評価していることが分かった。彼らは先鋭化する米中間の対立構図の中で、韓国が受身の即応的な対応基調から脱して、能動的で主導的な均衡戦略を新たに立て直すことを求めた。
ハンギョレは光復(解放)・分断70周年を迎え、外交・安保分野の専門家諮問委員団20人と、国会外交統一委・国防委の委員らを対象に「韓国の東アジア安保戦略」をテーマにアンケート調査を実施した。今月11日から18日まで行われた今回の調査では、61人のうち45人が回答を送ってきた。
彼らの多くは、米国と中国の間で韓国の生存戦略として広く知られてきた安米経中に否定的な診断を下した。 安米経中を持続可能な対応基調と思うかという質問に、「持続可能であり、韓国の長期的な対応基調にすべきだ」とし、肯定的に評価した回答は17.8%にとどまった。一方、「韓国の生存と利益を中心とする新たなバランス外交戦略を立てなければならない」という回答は62.2%に達した。安米経中が「持続不可能であり、近いうちに安保や経済をめぐり、両方から選択を迫られることになるだろう」と答えた割合も13.3%だった。
「実益中心のバランス戦略を新しく立てるべき」62%
与党議員でも「批判的認識」70%に迫る
南北協力・東アジア協力体制を「代案」に
安米経中は、最大の貿易相手国の中国とも経済的協力を強化することで、実利を取るものの、より大きな価値である安保は唯一の同盟国の米国との排他的な協力を通じて確保しなければならないという論理だ。金武星(キム・ムソン)セヌリ党代表が今年3月、「私たちには安全保障が最優先だ。だから安米経中。安保は米国の核の傘の中に入らなければならず、経済は中国とよく交流すべきだ」と話すなど、保守層を中心に、米国と中国の間における韓国の生存戦略として強調されてきた。今回のハンギョレの調査では、韓国の外交・安保オピニオンリーダーグループの75.5%が安米経中に事実上の破産宣告を下したものと解釈される。
外交部の北東アジア局長を務めたチョ・セヨン東西大学特任教授は「安全保障も、経済も、韓国のすべての対外政策の分野を総合的に勘案して、米国や中国、一方に傾き過ぎないように、バランスのとれた外交姿勢を自ら維持していかなければならない」と述べた。安米経中に対する批判的な認識は、与党のセヌリ党でも「持続不可能だ」という回答が18.8%、「新しいバランス外交戦略を立てなければならない」との回答が50.0%に達するなど、多数を占めた。
安米経中に代わる韓国の基本戦略としては、「南北協力と東アジア共同体における協力秩序の構築」を挙げた専門家たちが66.7%で、圧倒的だった。「米中間の緊張緩和と米中が共栄できる代案の提示など」(チョン・ジェソン・ソウル大学教授)、地域における多国間協力を主導できる「中堅国外交のパラダイムを用意すべきだ」という提案だ。 「韓米同盟の強化と韓米日の三角協力への参加」(20.0%)と「米国と中国の間で等距離戦略」(4.4%)がその後に続き、「中国との協力強化」を選択したのは一人もいなかった。
最近注目を集めている朴槿恵(パク・クネ)大統領の中国戦勝節の軍事パレードへの参加と関連して、51.1%が「参加すべきだ」と答えた。「参加してはならない」は6.7%、「訪中しても、軍事パレードには参加しない」が35.6%だった。東アジア情勢の最大の緊張要因としては、主に「中国の勢力拡大」(37.8%)、「米国の中国牽制」(22.2%)、「日本の軍事力拡張」(13.3%)が挙げられた。「北朝鮮の大量破壊兵器(WMD)の開発」を挙げた割合は8.9%にとどまった。
韓国語原文入力:2015-08-19 20:01