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韓国疾病管理本部、米軍に「炭疽菌」搬入の事前通知義務化を求める

登録:2015-07-07 23:01 修正:2015-07-08 06:39
炭疽菌 //ハンギョレ新聞社

 在韓米軍が炭疽菌などのハイリスクの病原体を国内に搬入する際に、韓国の保健当局に事前通知することを明記する条項を在米駐屯軍地位協定(SOFA)に新設しようという意見を、保健福祉部疾病管理本部(疾本)が提出したことが7日、確認された。

 最近明るみになった在韓米軍の炭疽菌無断持ち込み実験と関連し、政府機関が初めてSOFA改正を提起したものとして注目される。しかし、疾本の改正案も、ドイツとは異なり、搬入を拒否できる承認権は求めないなど、国民の生命権の保護のための措置としては、まだ不足しているとの指摘が出ている。

 チョン・ジヌ正義党議員が疾本から入手してこの日公開した「SOFA協定文中の了解事項に関する改正意見書」によると、疾本はSOFA「保健と衛生」条項の了解事項に「米軍は韓国の『感染症予防法』に指定された高リスクの病原体(死菌を含む)と、『遺伝子組み換え生物法』により国家管理が必要な病原性微生物の遺伝子組み換え生物を、韓国内在韓米軍基地に搬入しようとする場合は、大韓民国の保健当局にこれを事前に通知する」という条項を新設する必要があると述べた。現在は、関連了解事項として、隔離が必要な病気の発生時に直ちに通知▽搬入食料品の合同検疫▽エイズ患者情報の提供の3つだけを規定しているが、炭疽菌などの猛毒性の細菌の持ち込みも通報対象に新たに盛り込もうというものである。疾本はこの改正案を先月10日、外交部と国防部、関税庁当局者などが参加した「在韓米軍の炭疽菌配送事故に対する関係省庁の合同対策会議」で提案した。

 以前より一歩進んだものではあるが、疾本の改正案も韓国政府の別途の承認を必要とせず、疾本の要求通り規定が変わっても、米軍が通知だけすれば、炭疽菌などを持ち込めるという指摘も出ている。チョン議員は「疾本が事前承認権すら求めない屈辱的な低姿勢を示した」とし、「ドイツは、炭疽菌のような危険物質の場合、政府の承認を受けなければ搬入できないように、米軍との協定に規定している。韓国も事前承認の権限をSOFAに明示しなければならない」と強調した。これに対してSOFA合同委員会の韓国側委員長のシン・ジェヒョン外交部北米局長は「疾本の改正案が確定したわけではない」と述べた。

キム・ジフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-07-07 20:07

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/699268.html  訳H.J

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