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慰安婦問題大詰め…日本「佐々江案-α」、韓国「それ以上でなければ」

登録:2015-06-19 00:04 修正:2015-06-19 06:28
慰安婦問題解決法を巡る韓日の立場 //ハンギョレ新聞社

 韓日政府が両国関係の核心争点である慰安婦問題の突破口を用意できるか関心が集まっている。朴槿惠(パク・クネ)大統領が最近、慰安婦問題に関して「相当な進展があり、交渉の最終段階にある」と語った後、ユン・ビョンセ外交部長官が就任後初めて21~22日に日本を訪問する予定であり、悪化した韓日関係が転換点を見いだせるか特に注目される局面だ。

 日本経済新聞は18日、慰安婦問題に対する韓日局長級協議の具体的な議論事項が把握されたとし「日本政府は慰安婦被害者に対する財政支援、安倍晋三日本首相の謝罪と責任に対する言及が含まれた声明発表などの措置を挙げ、韓国政府は朴槿惠大統領が慰安婦問題が最終解決されたことを保証する内容などが議論されている」と報道した。 それと共に同紙は「いずれも合意に向けたハードルが高く結論は出ていない」という留保の立場も合わせて伝えた。

 この日公開された案は、2012年3月に当時の佐々江賢一郎・日本外務省事務次官が韓国政府に提示したとされる「佐々江案」の基本的枠組みを基礎にした内容だ。当時、日本政府は野田佳彦首相が李明博(イ・ミョンバク)大統領に謝罪し、当時の武藤正敏・駐韓日本大使が慰安婦被害者を訪ねて謝罪し、政府予算で補償するという案を提示したことがある。 しかし、当時の李明博政権は、日本が“法的責任”に明確に触れなかったこの案では国内世論を説得しにくいと見て、事実上拒否した経緯がある。 言うなれば、今回報道された内容は佐々江案とは異なり「慰安婦問題が解決された保証」をする韓国政府の義務事項も含まれており、「佐々江案+α」ではなく「佐々江案-α」と評価できる。

 韓国外交部当局者はこれについて「事実関係が違っている」と指摘した上で、「(日本の記事が)全く違うと否定はできない。だが、慰安婦問題はディテールだ」と語った。大きな枠組みでは両国の意見接近がなされているが、相変らず具体的接点を見いだせずにいることを示唆したのだ。さらに「佐々江案より良い案を見つけなければならない」という韓国政府の立場を強調した。

 韓国政府は日本政府の法的責任認定を要求してきた。韓国政府高位当局者も朴大統領の“最終段階”発言の意味について「細部的な話をする段階ということを表現したものでもある。どこかの時点では結論を出さなければならない段階という意味でもある」と説明した。

 しかし実際に両国首脳が慰安婦問題解決のための決断を下せるかについては、依然として懐疑する見方が多い。日本側が「慰安婦問題が最終的に解決された」ということを確認するために、韓国側に挺対協が毎週ソウルの日本大使館前で行ってきた水曜集会の中断と少女像の撤去などを要求することが明らかなためだ。 安倍首相の立場としては、この内容が担保されない状況で自身を支持する保守勢力の気分を害しかねない慰安婦問題解決のための政治的決断を下すことは容易でない。 韓国政府でも今回報道された水準の内容では「慰安婦問題が本当に解決された」という韓国社会の合意を得ることは難しい。

 最近、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)等の韓国市民社会は、日本に要求してきた“法的責任”の内容を「日本政府が軍施設で慰安所を設置・管理・統制し、これは違法且つ重大な人権侵害だったという点を認め賠償すること」と定義する折衷案を提示したことがある。

東京/キル・ユンヒョン特派員、キム・ウェヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/696675.html 韓国語原文入力:2015-06-18 21:45
訳J.S(1710字)

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