40年前、米軍のミサイル基地があった全羅北道金堤(キムゼ)市黄山(ファンサン)洞周辺の土地がまだ汚染されていることが分かった。
全羅北道議会のチョン・ホヨン議員(金堤1選挙区)は3日、「昔の軍部隊があった金堤市黄山洞ドクジョ村の農耕地から採取した試料を、先月全羅北道保健環境研究院に依頼して土壌汚染を分析した結果、全石油系炭化水素(TPH)が基準値の1キロ当たり500ミリグラム(農耕地)の7倍を超える3594ミリグラムが検出された」と明らかにした。
全石油系炭化水素は土壌汚染の程度を表す指標で、土壌が灯油や軽油、ジェト油、バンカーC重油などの油によって、どのよう汚染されたかを示す。特に、返還された米軍基地の環境調査で必ず検出される代表的な汚染物質だ。この物質に汚染されると、植物が育たず、がんを誘発するなど、人体に致命的な影響を与える。2012年に環境部がパク・ジュソン議員に提出した資料によると、2007年に返還された23カ所の米軍基地を精密調査した結果、1カ所を除いた22カ所で全石油系炭化水素が基準値を超過した。
この地域は、1970年代初めまで米軍のミサイル基地だったが、返還された後2008年まで韓国空軍砲隊が駐留してから撤退し、今は国防部が管理している。金堤市は昨年4月、ここに住民の憩いの場を建設するため、国防部に使用許可を求める公文書を送った。しかし、国防部は、その年の8月に「未発見地雷地域で、事故の危険が常に内在する危険地域なので、使用を許可できない」と回答した。
住民チェ・ソンシク氏(58)は、「1年前畑を耕していたら、地面から油の残骸物をたくさん発見した。今、家の近くの20〜30メートルほど離れたところをシャベルで少し掘り起こしただけで、ひどい油のにおいがする」と話した。
洞長のイ・ギョンハン氏も「正確な年度は覚えてないが、1970年代初頭にも軍部隊から流れ出た油が多かった。ひどいときは溜まった油を取ってガソリンスタンドに売ったほどだった。町全体がどれほどひどく汚染されているのかを知りたい」と訴えた。住民たちは「土壌だけでなく、地下水も油のにおいがして、10年以上前、飲料水の水源を地下水から水道水に変えた。住民の不安を減らすために地雷を除去する作業からに急がなければならない」と主張した。
チョン議員は「汚染された土壌と地下水により、住民の健康と農作物被害が懸念されるため、官民軍合同調査委員会を設置して汚染の実態を把握するとともに、対策を講じなければならない」と促した。
国防部は「金堤市が官民軍合同調査を要求すると、肯定的に検討する。ミサイル基地があったこの地域は、今後空軍が使用する予定で、開放するのは難しい」と明らかにした。
韓国語原文入力: 2015-06-03 20:00