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ケリー米国務長官、金正恩の国際司法裁判所付託の可能性に言及

登録:2015-05-18 22:20 修正:2015-05-19 06:58
ユン・ビョンセ外交部長官とジョン・ケリー米国務長官が18日午前、ソウル鍾路区政府ソウル庁舎別館会議室で開かれた韓米外相会談に先立って話している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 「非核化受け入れなければ対話もない」
 対北朝鮮強硬策維持の立場を再確認
 安倍首相の修正主義歴史認識への懸念も
 「日本軍による女性人身売買」表現
 “日本寄り”とのバランス取るための措置

 ジョン・ケリー米国務長官は18日、ユン・ビョンセ外交部長官との韓米外相会談後の共同記者会見で、「対北朝鮮強硬策の維持」と「韓 米日協調体制の強化」に要約される米国の従来の立場を再確認した。日本の安倍晋三首相には、韓日間の過去の歴史問題について事実上の謝罪など前向きな措置を求めるようなニュアンスの言及をした。先月の安倍首相の訪米後、米国が韓日間の過去の歴史問題と関連して、日本寄りの態度を取っているという認識が韓国社会に広がったことに対する対応として解釈される。

 ケリー長官は、人権と核問題と関連し、北朝鮮と金正恩(キム・ジョンウン)体制に対する強硬な発言を惜しまなかった。北朝鮮側の猛烈な反発の中、昨年末、国連安全保障理事会を通過した北朝鮮人権決議案にも言及し、「(金第1書記が)ひどいことを続けるなら、国際刑事裁判所(ICC)に付託される可能性も排除できない」と述べた。北朝鮮の「最高尊厳」である金第1書記の刑事処罰の可能性という敏感な問題を提起し、北朝鮮に警告したのだ。

 国家情報院が最近公開したヒョン・ヨンチョル北朝鮮人民武力部長の粛清について言及したのも同じ文脈で解釈される。ケリー長官は「世界はますますひどく、残酷な話をたくさん聞いている」とし「自分の側近であった人たちを非常に衝撃的にも公開処刑し、話にならない言い訳をすることもある」と批判した。

 ケリー長官は、北朝鮮が国際社会の非核化要求を受け入れない限り、対話は不可能であり、対北朝鮮制裁も続くという米国の既存の態度を重ねて確認した。彼は「私たちは、金正恩第一書記と北朝鮮を説得する方法を見つける必要があるが、対話のための対話をしてはならない」とし「この人(金第一書記)は、合理的な方法を見つけようと(国際社会が)差し伸べた手をすべて拒絶した。(金第1書記が)かなり危険な方向に向かっているところを、制裁措置や他の手段を通じて説得するのが私たちの今の方針」だと述べた。また、「中国も米国と韓国、日本、ロシアと考え方は同じだ」とし、「北朝鮮が非核化の代わりに、脅威を続けながら国際社会の要求を無視していることに対して、国際社会の認識がこのように一致したことはなかった」と付け加えた。

 安倍政権の歴史修正主義的認識については、懸念を示した。ケリー長官は「日本軍慰安婦問題について安倍首相が使用している人身売買という表現が適切であると思うか」という質問に答える過程で、「第2次世界大戦時に起きたこと、特に戦時中、日本軍による性的目的の女性人身売買」という表現を使った。日本軍の責任を具体的に明示することにより、慰安婦問題の責任主体が消えた安倍首相の発言を遠回しに批判したものと見られる。

 また、ケリー長官は「米国は、日本が過去の歴史から始まった問題に対し、近隣諸国とより良い関係を構築することで解決していくように、継続的に促している」と述べ、今後、安倍政権の前向きな措置に対する期待感を示した。ケリー長官のこのような態度について、6月に予定されている朴槿恵(パク・クネ)大統領の訪米を控えて「日米新蜜月」に対する韓国の反発を和らげることで、韓米日三角同盟の基盤を固めようとしたものと分析される。

キム・ウェヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-05-18 19:45

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/691737.html  訳H.J

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