安倍晋三日本首相が29日(現地時間)、日本の首相としては初めて立った米国議事堂上下両院合同演説場は何かに抑えられたかのように空気が重く沈んでいた。大慨の合同演説は米国を訪問する同盟・友好国の指導者を歓迎する席の性格上、歓呼ムードになるのが普通だが、この日の行事は雰囲気が違っていた。
1941年、日本の真珠湾攻撃直後にフランクリン・ルーズベルト大統領が「恥辱の日」演説を行った場に日本の首相が立ったためだろうか。 このような歴史的沈殿物と共に、民主党議員の環太平洋経済パートナーシップ協定(TPP)反対情緒などが複合的に作用しているようだった。
他の外国指導者の演説とは異なり起立拍手も多くなかった。 演説台から4列目の中央に座っていたマイク・ホンダ議員は起立拍手をする時も立ち上がらないなど露骨に不満を示した。
安倍首相の演説は、過去の問題に対する所見表明と、米国に対する賛辞、そして日本がアジア地域の安保・経済で果す任務などで構成されていた。 彼は第2次大戦で犠牲になったアメリカ人に対しては“深い懺悔”と“哀悼”を示した。 アジア国民に対しては“深い反省”(日本語訳では痛切な反省)を示し、日帝の植民支配と侵略という単語の代わりに「自らの行い」と表現した。彼は「紛争下、常に傷ついたのは、女性でした。私たちの時代にこそ、女性の人権が侵されない世の中を実現しなくてはならない」と述べた。日本軍慰安婦問題を、一般的な戦争の様相の一つとしてぼかそうとする試みと解釈される部分だ。 しかしこのような事情を分からない一部の議員たちはこの部分で拍手した。
安倍首相彼は米日同盟強化のための防衛協力指針(ガイドライン)の改定に言及した後「私たちが太平洋からインド洋にかけての広い海を平和と自由の海にするだろう」と述べ、軍備拡張の意志を明らかにした。 特に、「日本はオーストラリア、インドと戦略的関係を結び、韓国、アセアンとは協力関係を深めていく」として「米日同盟を基軸とし、これらの仲間が加わると、私たちの地域は各段に安定するだろう」と述べた。 韓国を米日同盟の下位の相手として位置づけたわけだ。
演説が開かれる前、議事堂前では在米韓国人同胞団体と中国系・台湾界団体、人権団体会員ら500人余りが集まって示威を行った。同胞たちはワシントンだけでなく、ニューヨーク、ニュージャージー、フィラデルフィアなどからも夜明けにバスを借り切って示威に参加した。民主党のホンダ議員とスティーブ・イズリオル議員も参加して安倍首相の謝罪を促した。
ホンダ議員の招請で本会議場傍聴席に座った慰安婦被害者のイ・ヨンスさんは、安倍首相をずっと凝視していた。 イさんは演説が終わった後、記者たちに「安倍、その嘘つき病、歴史を否定する病気を治さなければあなたは自滅するだろう」と批判した。
ニューヨークのフラッシングから眠らずに午前4時にバスに乗ってきたというカン・ジョンスク家庭相談所ハーモニー会会長は「絶対に来なければという思いでボランティア会員7人と一緒に来た」として「過去の過ちを認めて前に進むことは重要だが、過去自体を否定するので安倍首相に反感を持たざるをえない」と話した。