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[平昌冬季五輪分散開催] 国内で4種目分散しただけで工事費400億円節約

登録:2015-03-09 10:22 修正:2015-03-11 20:55
分散開催に伴う費用分析。 //ハンギョレ新聞社

ハンギョレが中堅の建築設計業者2社と共同で2018年平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックの一部種目を移し代えたシミュレーションを実施した結果、3720億ウォン(約400億円、1円=9ウォン)節約できることが明らかになった。分散対象は江原道オリンピックという名分を損なわない範囲で、経済効率性が高いアイスホッケー場1・2、フィギュア・ショートトラックのスケートリンク、アルパインスキー競技場の4カ所を選んだ。競技場再配置のため拡張あるいは補強工事をする場合、施工期間も12カ月前後になる。「時間がないから仕方ない」という政府や組織委の説明とは異なる結果だ。設計チームは「設計と土木工事を併行してスピードを出せば8カ月に短縮することができる」とした。まだ遅くはないという話だ。

 国内で野球場、プール、体育館、ゴルフ場、スキーコースを設計した実績のある二つの建築設計業者は、分析の精密さを高めるため等高線5メートル間隔の数値地図と代案競技場の設計図原本を確保した。国会のパク・ホングン議員室も作業に協力した。代案競技場の設計は国際オリンピック委員会(IOC)のテクニカル・マニュアルに従った。代案が検討されている既存競技場の工程率は全体で10%以下だ。

 分析チームは江陵(カンヌン)で建設している男子アイスホッケー競技場の代わりに、ソウル市芳夷洞のオリンピック公園にあるオリンピックプールを改造してアイスホッケー場として活用する場合、埋設費用(129億ウォン)とリモデリング工事費(183億ウォン)がかかるが総事業費1079億ウォンの既存案に比べて768億ウォンを節減できると算出した。オリンピック後にスケートリンクを撤去してプールで復旧する費用も加えてある。関東大学に作る女子アイスホッケー競技場をソウル木洞のアイスリンクに代えれば369億ウォン、江陵アイスアリーナで開く予定のフィギュア・ショートトラック競技をオリンピック体操競技場に移して開催すれば883億ウォンを削減できる。旌善(チョンソン)郡に建設している可里旺山(カリワンサン)の中峰アルパインスキー場の代わりに全羅北道茂朱(ムジュ)リゾートを活用する方案を検討した結果、削減効果は1638億ウォンに達した。

 平昌冬季オリンピック分散開催問題は昨年12月8日、国際オリンピック委員会が「アジェンダ2020」を総会で全員一致で通過させ触発された。朴槿恵(パク・クネ)大統領は「分散開催は意味がない」と反対の立場を明らかにしたが、市民や体育団体の国内分散開催の要求は続いている。アジェンダ2020の主要な内容は持続可能性と経済オリンピック、1国家1都市原則の破棄だ。平昌組織委に交渉の意志さえあれば、一部種目の分散開催要求をIOCが拒否する名分はない。

 「国の生活研究所」のキム・サンチョル研究員は「スポーツイベントの経済効果がないことは釜山・仁川アジア競技大会、フォーミュラワン(F1)大会を通じ経験的に確認された以上、今からでも再配置の議論を始めることが江原道だけでなく国家の利益」と話した。

ユン・ヒョンジュン ホ・スン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.03.09 01:15

https://www.hani.co.kr/arti/sports/sports_general/681383.html 訳Y.B

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