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9年耐えたKTX女性乗務員たちの苦難報われず

登録:2015-02-27 19:37 修正:2015-02-28 08:29
26日、最高裁判決が下された後、全国鉄道労組ソウル本部KTX乗務支部のキム・スンハ支部長が法廷前で所感を明らかにしている。 キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

 今は3歳と5歳の2人の男の子の母親になったオ・ミソン氏(36)にとって、11年前、高速鉄道(KTX)は、初めての夢の職場だった。 数えで26だった2004年1月に公開採用1期で採用された後、鉄道庁(現在のコレイル)の経営研修院で乗務教育を受けた。 同年4月に高速鉄道が本格開通した後、大田(テジョン)、大邱(テグ)、釜山(プサン)、光州(クァンジュ)の路線を1日1回ずつ乗務した。無線機でコレイル正社員の列車チーム長の指示をリアルタイムで受け、高速列車の乗客の安全と便宜のために客室を回った。 「1~2年も経てば鉄道庁の職員レベルの待遇にしてやる」という会社の約束を堅く信じた。

 オ氏をはじめとする高速列車女性乗務員の所属は鉄道庁ではなかった。 雇用主は、鉄道庁の退職者や殉職者遺族の援護事業のために作られた公益会だった。 当時、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府は公共機関の定員が増えることを防ぐとして、いわゆる“ノン・コア業務”を外注化する方針を押し進めた。 「列車乗務員の中で、案内員の業務は派遣法が定めた派遣対象業務ではなく、独立的な業務遂行が難しいので請負契約対象業務でもない」という労働部の意見は黙殺された。

 直接雇用を期待した女性乗務員たちに鉄道庁は翌年、鉄道庁が100%出資した韓国鉄道流通に移るよう要求した。 乗務員たちは、 公益会での10カ月の労働契約に次いで、2005年末を期限とする短期契約を結ばなければならなかった。 2006年5月になると鉄道流通は、女性乗務員たちに鉄道庁が持分51%を有する子会社、KTX観光レジャーに再び移るよう要求した。

 結局、オ氏をはじめとする高速鉄道の女性乗務員たちはこれを拒否し、ストライキに入った。 鉄道庁は全員解雇で応酬した。 オ氏は26日ハンギョレとの通話で「安全関連業務であり、コレイルの正社員と同じ業務を遂行しているにも拘らず、直接雇用せずに子会社を転々とさせ続けたので、ストに突入した」と回顧した。 剃髪とハンスト、街頭座り込みまで、女性乗務員たちはありったけの力を振り絞って権利を獲得しようとしたが、政府とコレイルは力で抑えるか、でなければ無視で通した。

 職場から追い出された女性乗務員たちは、これが最後という心情で法の扉を叩いた。 1・2審では、オ氏ら女性乗務員34人に軍配を上げた。1、2審は「女性乗務員と鉄道流通の間の業務委託は偽装請負に該当し、コレイルが直接女性乗務員を採用したものと見なければならない」と判断した。 鉄道流通は請負会社として実体がなく、これら女性労働者はコレイルの正社員である列車チーム長の直接指揮を受けたのだから、鉄道流通で仕事を始めた2005年1月からすでに、コレイルに所属する労働者と見なすという意味だ。 

不安の影は、後から訴訟を起こした女性乗務員115人に対するソウル高裁の2012年10月判決から始まった。 女性乗務員34人と同じ事件であり、1審で勝訴した115人に対し高裁は「女性乗務員と鉄道庁・コレイルの間に黙示的労働契約関係が成立しているとは評価しにくいうえに、他にこれを認めるに足る証拠がない」とした。

 ついに26日、最高裁がそれぞれ女性乗務員34人と115人が起こした訴訟に対する最終判断を下した。結論は34人の事件に対する下級審の判断が間違っており、高速鉄道の女性乗務員はコレイルの職員とは見なし難く、不法派遣でもないという115人に対するソウル高裁の判決が妥当だということだった。

 9年前に解雇された元女性乗務員であり、今では二児の母親となった彼女は、涙まじりに話した。「最高裁の判決は納得できません。 もし勝っていたら、女性乗務員の多くが復職するはずなのに…。私たちが今まで話したことを国民が嘘だったと考えるのではないかと思えて悔しいです。 これから私たちがどうすべきなのか、誰か話してくれたらと思います」

チョン・ジョンフィ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/02/26 21:54

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/679929.html
訳A.K(1911字)

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