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[週刊ハンギョレ21] 韓国の政治は1987年以降、どこまで進んだか(3/3)

登録:2015-02-25 23:58 修正:2015-03-01 08:19
2010年末、国会本会議場でハンナラ党(現セヌリ党)の単独予算案処理を阻むため国会議長席を占拠していた野党議員が、壇上からハンナラ党議員によって引き出されている。かつて与野党の議員による小競合いは市民に“政治嫌悪症”を呼び起こした。 タク・キヒョン先任記者//ハンギョレ新聞社

 それでは1987年の民主化以後にも未だに権威主義を清算できないことにセヌリ党の責任はないのだろうか。 セヌリ党は彼らが「失われた10年」と言う金大中・盧武鉉政権の10年を除けば一貫して執権し続けてきた勢力だ。 彼らは権威主義時代から政権与党という地位を利用し享受してきた“力”を今日まで下ろせなかったという点で“権威主義の核心”と言える。 彼らの権威主義的な姿は、政治だけでなく司法府や行政府などすべての社会の隅々にまで根を下ろしている。 2012年の大統領選挙当時、国家情報院の大統領選挙介入や昨年の“チョン・ユンフェ文書疑惑”で明らかになった政治検察の実態、憲法裁判所の類例なき統合進歩党解散決定などの事件は、政権与党が持つ権力資源の力を如実に見せる。 この他にも朴槿恵政権登場以後に2倍に増えた不審検問など、社会の隅々に根をおろした権威主義の遺産も依然健在だ。 キム・ギョンミ チーム長は「セヌリ党は今まで力を持っていたし、その力を使ってみた経験があるので、それを下ろせずにいる。 権威的な政府の力によって検察、国会、官僚、財閥、言論まで固く一つになって(国家を)自分たちが思う方向に引っ張っていけるという事実を諦められないわけだ」と話した。

 セヌリ党自体を見ても、セヌリ党は政権与党として大統領府に従属的な“衛星政党”の役割しかしてこなかったという点で相変らず権威主義時代の慣行から抜け出せていない。 表面的には強くみえるが、実際には大統領府に振り回されて、まともな責任政治を出来なかったという点と、地域基盤の他には自律的にセヌリ党員であることを明らかにする人があまりいないという点で党の基盤は非常に脆弱だ。

 しかし最近のユ・スンミン セヌリ党院内代表の当選は、それまで党が大統領府の“オーダー政治”に引きずられるなど権威主義を清算できていないという根拠になると同時に、セヌリ党がこのような権威主義を克服する準備ができているという表示でもある。 イ・チョルヒ イムン政治戦略研究所長は最近、京郷新聞に書いたコラムで「やはりセヌリ党は危機に対処できる政党だ。総選挙を1年余り後に控えた2015年2月、予期せずに襲った危機、セヌリ党は危機脱出の解決法としてユ・スンミン カードを選択した。 2004年17代総選挙と2012年の19代総選挙時の危機突破と同じ解決法だ。ヨルリンウリ党時期に危機を前にして責任の押し付け合いに終始して党内葛藤ばかりを大きくし結局は崩れた今の新政治民主連合としては及びもつかないターニングであり規律だ。 先党後私を叫ぶのは新政治民主連合なのに、実際にその精神が作動しているのはセヌリ党」と分析した。 今やセヌリ党も権威主義を清算し、真の保守主義政党として歩まなければならない時点に置かれた。

 韓国で強固な位置を占めた二つの政党は、このように依然として権威主義の遺産を抱きしめていて、同時にこれを克服しなければならない時点に立たされている。 ソ・ボッキョン西江大学現代政治研究所専任研究員は、今こそ未完の“87年体制”を清算し“権威主義”の時代を完全に脱ぎ捨てる第2期民主主義を建設する時期だと指摘した。「大韓民国の政治体制の第2期を建設しなければならない時だ。 2期体制はどちらか一つの主体が独自に作るよりは相互作用で作るものだ。 (政党システム次元で)一種のビッグバンのようなものが来る事もありえ、(政党)内部が全般的に交替させられることもありうる。 あるいは今のあの枠組みのままでしばらく維持されることもありうる。 しかし、これらすべての体制は互いに影響し合うだろう。 進歩は壊れたが新政治民主連合だけ生き返ったり、セヌリ党だけが生きて新政治民主連合と進歩は崩れたり、このような方式よりは当分は各自が倒生しながらも互いにかみ合わさるシステムを作るのではないかと考える」。それではどのようにしなければならないだろうか。 様々な階層を代弁する多様な政党が互いの利害関係を調整し合意点を見出してゆく民主主義の政党システムを作る方法は何だろうか。 現在としては閉鎖的な韓国の政治システムを一気にひっくり返す政治プランナーや政治的リーダーを捜し出すことは難しく見える。

■ 政党の復元、正攻法が解答

 道が見出せない時は正攻法が解答になりうる。それが“政党の復元”だ。 パク・サンフン代表はこう語る。 「今日の批判的無党派層が本当に望むのは、まともな政治、まともな政党であって、政党ではない政治、さらには政治でない他の手段や代案を期待しているわけではないと見なければならない。しかし、野党内の政党改革論は公認権を行使する党権と次期大統領選挙に出る大統領選挙候補の選出問題を巡る制度論争ばかりを繰り返してきた。 なぜ政党改革論を主張する人は、貧しい人のために政治をしようという熱情的チームとしての強い政党を作る問題、執権政府を効果的に牽制できる実力ある野党を作る問題、有能な未来政府になるために影の内閣を備えた代案政党を作る問題、日常の市民生活を保護する生活を守る党を作る問題、共に教育し共に政策を作る党員と積極的支持者のいる誇らしい政党作りの問題に対しては無関心なのだろうか」

ソンチェ・ギョンファ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/679093.html 韓国語原文入力:2015/02/21 13:25
訳J.S(2499字)

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