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韓国体育大学長に体育界と縁遠い“親朴”系元議員

登録:2015-02-12 22:35 修正:2015-02-14 20:51
キム・ソンジョ元セヌリ党議員の韓国体育大学学長就任を知らせる横断幕が8日午後、ソウル松坡区にある同大学の入口にかかっている。 イ・ジョングン記者//ハンギョレ新聞社

亀尾地方区で3選した国会議員
“学長空白”国立大学3カ所に
「政府寄りの人物推薦」強いメッセージ
「大学の自律性・意思決定を無視」
財政支援を餌に“飼い馴らし”との批判

 今月3日、学長が23カ月間空席だった韓国体育大学長に朴槿恵(パク・クネ)大統領が“親朴”政治家キム・ソンジョ元セヌリ党議員(57・写真) を任用すると、大学内外から「大学と教授社会をないがしろにするやり方だ」という強い非難が一斉に上がっている。 教育部と大統領府はこれまで、 韓国体育大学など国立大学が自主的に推薦した学長候補者を、特別な理由も明らかにせずに繰り返し突っぱねてきた。 学界ではこれをめぐり、大統領府が自分の好みに合う人を選ぶため意図的に拒否したという疑惑が提起されていたが、今回の人事でこのような主張が説得力を得ることになった。

 朴大統領はこの3日の閣議で、教育部のキム・ソンジョ学長候補者の任用提案を受け入れ、4日、彼を第6代学長に任用した。 キム学長は、朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の故郷である慶尚北道亀尾(クミ)の出身であり、ここを地方区として16~18代(2000~2012年)国会議員を務めた代表的な“親朴”政治家だ。 朴大統領がかつて理事長であった嶺南(ヨンナム)大の化学工学科(学士)を卒業し、2007年からは嶺南大法学科兼任教授を務めている。 国会でも主に企画財政委員会や法制司法委員会で活動しただけで、体育関連常任委での経歴はない。 体育界とは縁が薄い非専門家であるわけだ。

 ある大学の体育学科教授は「体育界で検証された人でもなく専門性もない人物を学長の座に座らせるため、4度も学長候補者を拒否したとは理解できない」として「大学の自律権と意思決定を無視する侮辱的な人事スタイル」と批判した。 大学教育研究所のキム・サムホ研究員も「体育人養成という特殊目的をもって設立された韓国体育大学に、体育と関連のない人を連れてきたこと自体が大学のアイデンティティを放棄するものだ」と指摘した。

 韓国体育大内部では、世論が煮え立ち始めている。 匿名を希望したある教授は「今回5度目の学長候補を上げて選ばれた。 先に、大学構成員たちの全面的な支持を受けてチョ・ヒョンジェ元文化体育観光部次官を学長候補に上げたが、明確な理由もなしに拒否しておいて、今度は一体どういう理由で承認したのか分からない。 教授たちはもう自暴自棄の状態だ」と明らかにした。 この教授は、このために韓国体育大を離れたいという教授も多いと伝えた。

 教育界の一部では、教育部が財政支援を餌に大学の構造調整を強制している状況なので、ただでさえ政府の機嫌を伺わざるを得ないのに、政府の今回の人事は学長任用までも牛耳ろうという意思を露骨化させたものと見ている。 現在学長が空席の他の国立大に対して、よく考えて政権寄りの人物を候補に推薦せよ、という強力なメッセージだということだ。

 実際、韓国体育大内部でも、キム・ソンジョ学長の専門性よりは“政権との関係”に重きを置いたことを認めている。キム学長を学長候補者に立てるに当たって中心的な役割を果たしたキム・ジンハン韓国体育大教授は「キム学長も最初は体育や大学と関連がないからと言って固辞したが、私が強く説得した」として「韓国体育大内部の候補者や政府官僚出身の候補者が教育部の検証に引っかかったため、政権との関係に大きな問題のない方を迎えて、政権と大学をうまく連結してもらえればと思い、候補に迎えた」と話した。

キム・ソンジョ元セヌリ党議員//ハンギョレ新聞社

 しかし、ある私立大の体育教育科教授は「政治家であっても体育関連の活動をしてきたなら話しは違うが、体育教育の専門性がない人が来た。 見えない力が作用したのだろう」と話した。全国教授労組のユ・ビョンジェ委員長(大邱大教授)は「キム・ソンジョ韓国体育大学長任用の件は、今の政権は自分たちの満足できる人だけに学長をさせるという意味だ。 大学構造調整を控えてこのような方法をとるというのは、全ての大学が政府の顔色を伺って整列しろということではないか。 全国の大学教授を集めて拒否行動を起こさなければならないのではないかと思うほど、もどかしい心情だ」と話した。

 教育部はこのような疑惑を否定している。 教育部のぺ・ソングン大学政策官は「(建設交通部長官を務めた)イ・ジョンム元韓国体育大学学長も政治家出身だが、問題なく任期を終えた。 教育部は、韓国体育大学がキム・ソンジョ候補を第一順位で推薦し、道徳性にも問題がないので、任用を提請した」と話した。

 キム学長は同日、ハンギョレとの通話で「現在、韓国知的障害者福祉協会の会長を務めているが、直前に会長の韓国体育大のキム・ウォンギョン教授の勧めで学長候補として出て、適法な手続きを経て推薦された」として「政治的考慮による人事というのは全く根拠のない主張だ」と話した。 彼はまた、「亀尾市弓道協会初代会長を務め、2年間、慶尚北道体育会理事も務めた」として「特定分野のスポーツ人出身ではないために、むしろ度重なる学長選挙で対立の溝が深まっている韓国体育大の経営を正すことができるだろうと考える」と付け加えた。

キム・ジフン、キム・チャンクム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/677457.html 韓国語原文入力:2015/02/08 22:10
訳A.K(2449字)

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