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ソウル市教育庁、修学旅行地や学則を生徒参加で決定させることに

登録:2015-02-06 13:39 修正:2015-02-06 15:31
2013年のパンハク中学校芸術祭。ユーチューブからキャプチャー。 //ハンギョレ新聞社

討論会などを経て決定するよう制度化
来年からは月2回のクラス活動を義務に
成熟した民主市民に育てるため

 ソウル市道峰(トボン)区のパンハク中学校で昨年12月、「9時登校」の是非をめぐり生徒、父兄、教師の間で大討論会が開かれた。生徒たちはクラス自治の時間に、教師たちは全体会議の時間に討論をした後、投票した。 父兄も家庭通信文で一票を行使した。投票結果、9時登校反対が80%を超え、登校時間を変えず、現状の午前8時30分を維持することにした。全生徒に学内の懸案に関する賛否意見を尋ね、推進させるかどうか決めさせるのは、この時が初めてだった。

 パンハク中学のソン・キオク教務部長は5日、「生徒自ら相反する見解を十分に検討したうえで結論を下し、その結論を異議なしで受け入れる経験を通し民主主義を学習する機会になったと考える」と話した。

 ソウル市教育庁は9時登校大討論会のように、学内の政策決定に生徒が参加する機会を増やし、生徒たちの自治活動の支援を拡大することにした。小中高など学校に通っている時から生徒たちが民主主義を経験できるよう市民教育を強化するためだ。同教育庁はこのため5日に「生徒自治活動活性化支援計画」を出した。教育庁は「修学旅行場所の選定や学校生活規定(学則)など生徒に大きな影響を及ぼす決定は、大討論会方式などを経るようにする」と明らかにした。

 さらに学生会が学校運営委員会に提案した案件を審査する際に、生徒代表が参観したり説明する機会を与えることにした。教育庁は「生徒たちの建議事項に学校側のフィードバックが不十分だ」という生徒たちの指摘が多く、これからは学生会と学校長懇談会を学期当たり2回以上定例化させることにした。

 生徒たちの自治活動を促すため新学期からクラス自治活動の回数を月1回から2回に増やすよう推奨し、これを学校評価に反映させる。2016年からは最初から義務化させることになる。教育庁が昨年12月、1301の小中高の「生徒自治活動運営実態」を調べると、小中高のクラス会の実施回数は年平均13.6回(月平均1回)に過ぎなかった。このうち8.3回だけが正規時間に行われ、5.3回は日課前後に行われていたことが分かった。

 さらに教育庁は遊休教室を活用して生徒たちの自治活動の空間を確保することにした。教育庁の実態調査結果、高等学校の86%、中学校の64%に学生会室があるが、小学校は8.2%しかなかった。学生参加予算制も導入する。学校運営費の2%以上を学生会が提示した公約履行やサークル活動などに支援する内容だ。これとは別に教育庁は4月から「生徒参加事業」を運営することにしたが、生徒たちのアイディアや学生会公約を公募し、このうち40の学校を選び学校別に250万ウォン(約27万円)を支援することにした。

 ソウル市教育庁のチョ・フィヨン教育監(長)は「私たちの社会では生徒たちは訓育と統制の対象だったし、学校は軍隊とともに民主主義と最も距離が遠かった。こうした事情もあり予備市民として自治力量が啓発されることがなかった」とし「生徒が権利の主体と認められる学生自治を通じ、成熟した民主市民に成長することを期待する」と話した。

キム・ジフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.02.05 22:19

https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/677080.html 訳Y.B

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