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ドーピング疑惑のパク・テファン…本当に知らなかったのか

登録:2015-01-27 21:32 修正:2015-01-28 08:11
パク・テファンが昨年9月25日、仁川文鶴パク・テファン水泳場で開かれた2014アジア競技大会水泳男子100メートル決勝で2位で入り、電光掲示板を眺めている。 仁川/キム・テヒョン記者 //ハンギョレ新聞社

ミス? 故意?
「注射前に禁止薬物でないことを数回確認」
パク所属社、病院のミスと主張
注射液の表面に成分をハングル表記
「10年間もドーピングテスト経験あるのに」

アジア大会では?
テストステロンの体内残留は短く
自然に生成されることもあるため
検査機関によって結果が変わることも

 パク・テファンのドーピング問題に対する専門家たちの視線は疑問に満ちている。 パク・テファンのエージェントであるチームGMP側は、健康管理をしていた病院側のミスだと明らかにしているが、病院名は公開していない。 過失の有無とは無関係に、世界反ドーピング機構(WADA)は厳格な責任原則を適用し一切の寛容を施さずにいる。 懲戒規定によれば無条件に2~4年の資格停止は避けられないものと見られる。 自由型オリンピック金メダルでアジア水泳の地位を高めたパク・テファンが、この間積み重ねた業績と清潔なイメージは甚大な打撃を受けざるをえない。

■ミスか? 故意か?

 パク・テファンのエージェントは26日、報道資料で「仁川アジア競技大会の約2カ月前に国内のある病院で脊椎矯正治療と健康管理を受けた際に打たれた注射に禁止薬品成分が含まれていた。 病院に民・刑事上の責任を問う」として、病院側を非難している。 約10年間、ドーピングを心配して風邪薬も飲もうとしなかったパク・テファンは、何回も禁止薬品でないことを確認までしたと主張している。 パク・テファンが注射剤として打たれたバイエル製薬会社の「ネビド」は世界反ドーピング機構が定めたドーピング薬品に規定されている。 ネビドアンプルの表面にも、世界反ドーピング機構がドーピング物質と規定したテストステロンという文字がハングルで書かれている。 もしエージェント側の主張が事実なら、パク・テファンはネビドという商標名を知らなかったか、テストステロンが入っていることを知らずに注射を受けた可能性がある。 この場合、病院側の医療スタッフがドーピング物質に関して全く知らずに注射したという結論が出てくる。 国家代表チームの主治医を務めたある専門医は「ドーピングについて専門的な知識がなければ分からなかった可能性もある」と話した。 だが、ドーピングに引っかかれば全てを失いかねない専門運動選手が、それも10年以上もドーピング テストを受けてきた世界的な水泳選手が、単純に医師の言葉だけを信じて注射を受けたことに疑問を提起する人もいる。 韓国国内のあるドーピング専門家は「エージェントがする仕事は選手を管理することなのに、テストステロンが入った注射剤を受けることを見逃したとすれば管理の失敗」と話した。 また「テストステロンは一度の注射で効果を得ることは難しい。何度も打った可能性もある」という慎重な意見を出している。

■なぜアジア競技大会では出てこなかったか?

 ドーピング禁止薬品は種類ごとに体内残存期間が違う。筋肉強化剤であるステロイド系は6カ月までは微量でもドーピング テストで感知される。 だが、男性ホルモンであるテストステロンは体内残留期間が短い。 また、体内でも自然に生成されることもある。このような理由のために9月のアジア競技大会では検出されなかった可能性がある。 検査機関により結果が変わりもする。 韓国ドーピング防止委員会の関係者は「ドーピング検査を誰がしたかにより結果も変わる。ドーピング検査に使った器具によっても変わることがある」と話した。 パク・テファンのドーピング結果は国際水泳連盟(FINA)の分析で出たし、仁川アジア競技大会の場合にはアジアオリンピック評議会(OCA)で総括するが、実務は大会組織委員会の傘下ドーピングセンターで行った。 ドーピング専門家は「パク・テファンの過去のドーピング記録はずっと公開されている。だが体内のテストステロンとエストロゲンなど男女ホルモンの比率が変化したとすればドーピング違反と見なす。 このようにしてドーピングに引っかかったのかも知れない」と解釈した。

■懲戒は避けられない見込み

 パク・テファン側は無念さを強調しているが、国際反ドーピング機構に情状参酌はない。 国際反ドーピング機構が規定した懲戒内容によれば、選手の検査試料中に禁止薬品が入っていれば4年間の資格停止を下すことになる。 禁止薬品を使用しようとしただけでも2年の資格停止になる。 テストステロンに対する国際反ドーピング機構の対応が非常に厳格なわけだ。 通常ステロイドは痛みの緩和や筋肉増強のために使われる。 このうちテストステロンは代表的な筋肉強化ステロイド系薬品だ。 記録で順位を決める水泳や陸上などでは、テストステロンを“禁止薬品1号”と規定するほどに強力な懲戒を下す。 パク・テファンの父親パク・インホ氏は「検察の捜査が進行中だ。捜査結果が出れば詳しい経緯などを明らかにする」としてコメントを控えた。

キム・チャングム、ホ・スン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/01/27 19:44

https://www.hani.co.kr/arti/sports/sports_general/675506.html
訳J.S(2318字)

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