北朝鮮と米国の間の半官半民の対話チャンネルである「トラック1.5」対話が18日、2日間の日程でシンガポールで開かれた。今回の対話は、最近北朝鮮が韓米合同軍事訓練の中止と核実験停止を交換条件として提案するなど、積極的な攻勢に出るなか開かれたことで注目される。
AP通信はこの日、北朝鮮の外務省官僚たちと米国の元高官及び学界の専門家たちがシンガポールで接触したと報じた。今回のトラック1.5接触には、米国側からリオン・シーガル社会科学院北東アジア安保協力プロジェクト局長、スティーブン・ボズワース前国務省対北朝鮮政策特別代表、ジョセフ・デトラニ前国家情報局(DNI)核不拡散センター所長、トニー・ナムグン前バークレー大学韓国学研究所副所長などが参加した。北朝鮮側からは6カ国協議首席代表であるリ・ヨンホ外務次官とチェ・ソンフヒ外務省副局長、チャン・イルフン駐国連代表部次席大使などが出席したことが分かった。
今回の接触は2013年9月にイギリスのロンドンでの接触を手配したシーガル局長が主導したと伝えられた。双方の接触は、5月にモンゴルで行われた北朝鮮と米国との民間対話チャンネルである「トラック2」の接触以来8カ月ぶりのことだ。
これに先立ち北朝鮮は13日、国連北朝鮮代表部アン・ミョンフン次席大使の記者会見で「『韓米軍事訓練を一時的に中断するなら、北朝鮮も核実験を一時的に中断する』という提案が実行される場合、今年の朝鮮半島で多くのことが実現可能である」と述べた。また、「米国が追加説明を求める場合、私たちはその提案の趣旨を米国に直接説明する用意がある」と朝米直接対話も要求した。米国はこれに対し「米国の立場は変わらない」と拒否の意志を明らかにしている。しかし、北朝鮮がこれまでトラック1.5対話を自分の立場を伝える通路として活用してきたことから、今回これに関連する具体的な議論が行われる可能性もあるものとみられる。
シーガル局長はこの日、シンガポールで記者たちと会って、今回の接触で「北朝鮮の核・ミサイルプログラムについて取り上げることになるだろう」とお互いの気流を把握する場だという見方を示した。最近、朝米関係において突発的な悪材料となった映画『インタビュー』に関連しソニー・ピクチャーズのハッキング事件を取り上げるかについては「その問題はあまり(議題に)上らないと思う」と答えた。
北朝鮮はこの日、労働新聞を通じて韓米合同軍事訓練の中止を重ねて要求した。労働党機関紙の労働新聞は同日、個人名の記事で3月初めに実施されるキーリゾルブとイーグル合同軍事訓練を取り上げ、「北侵核戦争演習が停止されない限り、北南間の対話はもちろん、朝米との間にどのような実質的な対話も進まないのは明らかである」と主張した。また、この日、北朝鮮の祖国平和統一委員会のホームページ「わが民族同士」は、韓国政府が求める離散家族の再会のための先決条件として、5·24措置の解除などを挙げた。
韓国語原文入力:2015.01.18 20:36