本文に移動
全体  > 経済

韓国の対日貿易が過去最低値、円安と対中貿易増大が影響

登録:2014-11-18 11:15 修正:2015-01-14 15:53
主要国輸出比重の推移。 //ハンギョレ新聞社

 日本政府が推進するアベノミクスで円安が急速に進行していることをうけ、朴槿恵(パク・クネ)大統領が主要20か国・地域首脳会議(G20)で憂慮する発言をするなど、為替レートの問題が深刻化するなか、今年第3四半期(年初を第1四半期とする)までの韓国の輸出で日本の比重が5.7%にまで落ち込み、年末に過去最低記録を書き直す公算が高いことが分かった。しかし、対日輸出減少の原因は為替レートによるものだけではなく、韓日貿易の構造変化にあるとする指摘も出されている。

 17日、韓国貿易協会国際貿易研究院の資料によると、今年1~9月までの韓国の主な貿易相手国である中国、米国、日本に対する韓国の輸出が占める比重は、中国が24.9%、米国が12.0%であるのに対し日本は5.7%にすぎなかった。昨年の対日輸出比重は6.2%で0.5%ポイント下がっている。

 輸出統計は第4四半期に大幅に変化する事例もあるが、現在の傾向がそのまま続けば1965年の貿易統計が作成されて以来、日本の輸出比重は過去最低になる。対日輸出比重が最も低かった年は、対中輸出比重が急上昇した2009~2010年で6.0%だった。

 対日輸出比重が減った原因として、安倍政権の量的緩和政策で円安が急激に進行している点がまず挙げられる。 日本は本源的通貨の量を年間60兆~80兆円ずつ増やし、円ドル為替レートは2012年末1ドル当り86.76円から最近は116円台まで円安が進行し、円の価値は33%下落した。

 米国の出口戦略実施によるドル高で韓国ウォンの価値もある程度切り下げられたが、アベノミクスが主導する円価値の切り下げ速度はあまりに早く、同期間のウォン円財政為替レートは100円当り1234.2ウォンから940ウォン台なかばの23%まで急速なウォン高となった。こうした影響を受けて対日輸出増減率は2012年に-2.2%、2013年に-10.7%、2014年1~9月に-4.6%と3年連続のマイナス成長をしている。

 だが、韓日貿易ではこの他の要因も作用している。例えば、単純に円安だけで考えれば対日輸出が減る反面、対日輸入は増加するのが自然だ。ところが、対日輸入増減率も2012年に-5.8%、2013年に-6.7%、今年1~9月は-11.1%と減少を続けている。対日輸入比重も今年第3四半期までの集計で10.2%も落ち込み、輸出比重と同じように過去最低値を書き直している。

 これは長期間にわたった円高期を経て、日本企業が海外に生産拠点を移す構造的変化によるものだとする指摘がある。日本の海外直接投資は1988年に1000億ドルを越えた後、2012年には1兆ドルを突破した。こうした変化は自国企業の海外生産品が日本の総収入に占める比重が2002年に22.7%から2012年に29.0%まで上昇する結果を招いた。このことは当然、韓国の対日輸出減少を呼ぶことになる。 また、韓国は日本から部品調達をたくさんしてきたが、すでに中国や東南アジアなどに移転した日本企業の生産拠点から同じ部品を調達する傾向が強まった。

 国際貿易研究院動向分析室のチャン・サンシク研究委員は「対日輸出の減少は単純に円安問題を解決すれば改善されるものではない」として「日本が円高時期にいかに競争力を育ててきたか、そして最近の円安で非常に高くなった収益性を今後の研究開発投資を通じてどう活用していくのかを注意深く見守らなくてはならない」と話した。

チョン・セラ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014.11.17 21:17 

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/664872.html 訳Y.B

関連記事