本文に移動

[社説]米日「中国包囲網」にさらに歩み寄った韓国

登録:2014-10-10 00:20 修正:2014-10-10 00:52

 米国と日本は8日、米日防衛協力指針(ガイドライン)の中間報告を発表した。昨年10月に東京で開かれた米日安全保障協議委員会で、中国の脅威増大など新しい安保環境に対応するために1997年の指針を改正することにしたことに伴うものだ。今回の指針は7月に日本政府の集団的自衛権行使の閣議決定に続く米日同盟強化策を明らかにしたものとして、今後しばらくは両国の安保協力の方向を定める羅針盤の役割をするものと見られる。

 今回の指針の特徴は米日を運命共同体として一体化するほど軍事同盟のレベルを高めることだ。指針の修正が「両国の戦略的な目標、利益と一致する」とか「切れ目のない形」等の表現を使ったことから、「政府一体となっての同盟」の形が読み取れる。また米日軍事協力の範囲が日本および日本の周辺からグローバルな世界に拡大したことも大きな変化だ。これまではせいぜい日本の周辺に限定されていた軍事協力の範囲が、特別法などの制定などをせずとも、どこでもできるようになったのだ。今後米国が中東やウクライナなどで戦争を行う際に日本が同盟国支援という集団自衛権行使を名目にいつでも介入しうる道が開かれたと言える。

 新しい指針はさしあたって地域的には、米日同盟対中国の緊張を高める要因として作用するだろう。急激に力を高めている中国を牽制するため、米国と日本が一緒に軍事面で手を結んで出したものが今回の指針改正の直接的背景であるためだ。経済力の衰退で単独での中国牽制は手にあまる米国と、米国の協力を得て地域の覇権を維持しようとする日本の利害が一致したのだ。

 米国には安保を、中国には経済を絶対的に依存している我が国(韓国)としては途方もない苦境に立たされることになった。米日安保協力の強化は、米国と同盟関係にある我々に中国包囲網に参加するか否かという二者択一を強要する意味がある。数年前から済州(チェジュ)島の南沖で例年行っている韓米日3国海上訓練や最近よく議論されている韓米ミサイル防衛協力が、表向きは北朝鮮の挑発にしているが、究極的には中国を狙った動きだということは誰でも分かるはずだ。我々の国益は、米国とも中国ともうまくやっていくことにあるという点を考ると、目まいがしそうな思いがする。状況の変化に受動的に押し流れされることなく、主体的に有利な安保環境を切り開く努力がこれまでになく求められているのだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014/10/08 18:26 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/658900.html  訳T.W(1125字)

関連記事