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‘34件 疑惑の百貨店’キム・ミョンス

登録:2014-06-29 20:57 修正:2014-06-30 07:02
キム・ミョンス社会副総理 兼 教育部長官候補者が26日午前、ソウル鍾路区(チョンノグ)東崇洞(トンスンドン)の国立国際教育院内に用意された聴聞会準備事務室に出勤している。 キム・ソングァン記者 flysg2@hani.co.kr //ハンギョレ新聞社

 キム・ミョンス社会副総理 兼 教育部長官候補者の研究倫理関連疑惑が絶えることなく提起され続けている。 <ハンギョレ>が今までに確認して報道した疑惑だけで34件だ。 去る17日、キム候補者が弟子が書いた修士学位論文を要約して、自身が主導して書いたかのように学術誌に掲載したのではないかという‘弟子論文横取り’疑惑が初めて提起された後、2週間にわたり各種疑惑が毎日新たに提起されている。 教育界ではこのような長官候補者の任命を強行すれば、2000年代に入り、ファン・ウソク波動と盗作論文による長官落馬などを契機に強化された研究倫理が後退する可能性を提起している。

 キム候補者の‘論文横取り’疑惑は、弟子の修・博士学位論文を事実上要約しただけの水準で自身を単独または、第1著者として学術誌に論文を発表した事実が明らかになって始まった。 2002年から2012年までの間に確認された論文だけで10篇を数える。 ペク・トミョン(ソウル大教授)民主化のための全国教授協議会常任議長は「教育の重要な役割の一つが後続世代の養成だが、指導学生たちの論文を自分のもののようにひたすら使うことは不適切な行動」とし「教育は自ら行動で正しい先例を作り価値を伝達しなければならないのに、キム候補者の姿は後輩学者の模範になりえない」と指摘した。

 キム候補者が‘横取り’したのは弟子の論文だけでない。 弟子の学位論文を自身が一緒に書いたかのように要約して、校内学術誌<教育科学研究>に発表した後、韓国教員大産学協力団から研究費1570万ウォンを受け取った。 キム候補者が2001~2012年に<教育科学研究>に発表した論文10件中の9件が弟子の学位論文を第1著者などとして記載して発表したもので、その内の4件に対しては追加で研究費を得ていた。 ソン・ギソン(カトリック大教授)韓国教育研究ネットワーク所長は「新たな課題に取り組むために応募して研究費を支援されるのが趣旨なのに、既存の研究をつぎはぎしたり名前を変えて提出するのは絶対に慣行とは言えない。 返還しなければならない」と批判した。

 キム候補者は研究だけでなく、韓国教員大助教授任用、副教授・正教授昇進の時も‘不正’疑惑を指摘されている。 1993年9月に助教授として任用される時には、履歴書に‘ソウル大教育行政研修院臨時専任講師’、‘ソウル大時間講師経歴’を記載したがこれは現在ソウル大の公式経歴としては確認されていない。 1997年10月の副教授昇進の時に研究実績として提示した論文‘教育産業の形成背景と発展過程’作成時は、他人の論文の一部を出処・引用の表示をせずに書き写したし、任用時に研究実績として提示した論文も‘リサイクル’した。 2002年10月の正教授昇進時にも、同じく他人の論文を出処・引用なしでつぎはぎしたり弟子の論文を基に書いた論文を自身の研究業績として提出した。 任用と副教授・正教授昇進過程を再調査しなければならないという声が出てくる理由だ。

 それだけではない。 共同研究物を単独で研究したかのように‘韓国研究業績統合情報’に直接記載したのが7件ある。 ‘学校経営の自律性と責務性’という同じ題名の論文を学校経営研究社の<学校経営>、韓国教育行政学会の<教育行政学研究>、韓国教員大<学校経営>に載せたと‘韓国研究業績統合情報’に入力したが、<教育行政学研究>にはそのような論文が掲載された事実がなく、韓国教員大は<学校経営>という学術誌を発行したこともない。 同様な論文を学術誌2誌に掲載した自己盗作も2件、2010年9月の大統領直属 国家教育科学技術諮問会議 諮問委員履歴書にも確認できない‘ソウル大教育研究所特別研究員’経歴を含ませるなど、虚偽経歴掲載も3件見つかっている。

 キム候補者側は‘慣行’を主張しているが、2008年に政府次元で用意された‘研究倫理確保のための指針’等、研究倫理基準の強化傾向に逆行している。 2006年ファン・ウソク ソウル大元教授の幹細胞研究論文捏造、論文盗作論議によるキム・ビョンジュン教育副総理の辞任などを経て、韓国の学界はこれまでの慣行に対して自省してきた。

 ‘弟子論文書き写し’疑惑を受けているキム候補者の論文10篇中5篇は、2008年以後に発表された論文だ。 また、パク・ホングン新政治民主連合議員が韓国研究財団から受け取った‘2009~2013年研究不正行為現況’を見れば、11人が盗作などで研究参加制裁を受けている。 あるソウルの大学教授である研究倫理専門家は「研究倫理問題が絶えないキム候補者は、教育政策に責任を持ち学問研究を推奨する主務部署の長官としては不適切だ」として「正直に研究して論文を書いている学者を失望させるだけでなく、韓国の学問倫理が30~40年前に後退する恐れもある」と話した。

キム・ミンギョン、イ・ジェウク記者 salmat@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/644654.html 韓国語原文入力:2014/06/29 20:31
訳J.S(2199字)

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