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[来週の質問] ナム・ジェジュンを誰がかばうのか

登録:2014-03-14 21:24 修正:2014-03-15 09:14

 "5・16革命はクーデターだ" と国会人事聴聞会で答えた時から国家情報院の将来が心配になった。 朴正熙とキム・ジョンピルなど一部の政治軍人が民主政府をひっくり返して権力を簒奪した5・16を‘クーデター’と定義しつつも‘革命’に格上げさせた彼の二重的思考方式を見て情報機関の正常化を期待することは難しかった。

 朴槿恵(パク・クネ)政権の国家情報院が処した時代的課題は明らかだった。 大統領選挙介入など李明博政権で犯した陰湿な工作政治の責任者を選び出し、組織を海外および対北韓情報収集中心に変えるということだった。 朴政権の初代国家情報院長になったナム・ジェジュンが‘5・16=クーデター’という正しい認識と軍隊時代のニックネームだった‘ソンビ(学徳ある人)’の精神でまい進するならば出来ないことでもなかった。

 だが、彼は初めから‘5・16=革命’の思考に従う歩みをした。 心理戦団のインターネット コメント工作を「個人的逸脱行為」と片付けては検察の捜査を受ける関連者に陳述拒否を指示した。 起訴された職員の弁護士費用は予算から出した。 それだけではない。 彼は国家機密を保護することにも‘2007年南北首脳会談対話録’を 「国家情報院職員の名誉」を前面に出して無断で公開した。 よほどでなければ外国言論が‘機密漏洩者’‘政治的扇動屋’と国家情報院長を馬鹿にしただろうか。 彼はまた、対話録にNLL(北方境界線)放棄や譲歩という話が全くないのに 「盧武鉉前大統領がNLLを放棄する発言をした」と解釈した。 与党議員でさえ国家情報院長が利敵行為をしていると批判した。

 当時、朴大統領が国家情報院長ナム・ジェジュンを更迭するなど、断固として問責したとすればどうなったのだろうか。 顔色を伺うことに長けた国家情報院の職員は李明博政府の時とは異なる方式の道を自ら探しながら遵法意識を整えただろう。 大切な執権初年度を以前の政権の大統領選挙介入問題で浪費することもなかっただろう。

 しかし、朴槿恵(パク・クネ)大統領は問責どころか、反対にナム院長にほうびを取らせた。 国家情報院‘セルフ改革’を注文しながら、刀の柄を彼に握らせた。 過度な信念の‘戦士’に力付けられて、国家安保の最前線にいなければならない職員らは国内情報戦線で嗅ぎ回り続けた。 ついに上部の好みに合わせて裁判の証拠をねつ造する不法を犯すまでに達した。

 国家情報院が国民の血と汗で成し遂げた民主主義を威嚇する集団に転落する間に、情報機関が備えなければならない情報能力は地に落ちた。 先月14日、中国政府が 「国家情報院と検察が裁判所に提出したユ・ウソン氏の中国出入境記録3件は全て偽造されたもの」と明らかにした後にも、国家情報院は協力者キム・某氏が遺書で「偽造したもの」と告白するまで、何と20日近く文書は本物だと公言し続けた。 本当に本物だと信じていたとすれば天を衝かんばかりの無能だ。 知っていながらそうしたとすれば最高の対国民詐欺工作だ。

キム・ジョンチョル政治部記者

 ナム・ジェジュン国家情報院がこの有り様なのに、朴大統領は「(検察の捜査で)問題が明らかになれば必ず正す」としながら、再び問責有無を捜査後に回した。 捜査に非協調的な国家情報院の態度から見る時、ナム院長にまで証拠ねつ造の火の粉が飛び散る可能性はない。 コメント事件の時「徹底した調査と司法府の判断が出てき次第、不偏不党な措置を取る」と言いながら、国家情報院に免罪符をくれたことと全く同じだ。

 組織の頭に指揮責任を問うのは、個人に対する問責であるよりその組織が進む方向を提示することだ。 したがって国家情報院長をそのままにして置くことは、国家情報院職員に今の方式のままに仕事を継続しろとのメッセージになる。 あなたの誤りが明らかになろうとも 「個人的逸脱」「ささいな誤り」 として扱われるし、弁護士費用などの後処理は心配するなという信号として読まれる。 国家安保の斥候兵は、再び不法と違法の慣行や誘惑に陥るほかはない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/628310.html 韓国語原文入力:2014/03/14 19:40
訳J.S(1795字)

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