765kV送電塔建設葛藤が進行中の慶南(キョンナム)密陽(ミリャン)の住民たちが10人中4人の割合で自殺衝動に苦しめられていることが明らかになった。
9日<ハンギョレ>が単独入手した‘人道主義実践医師協議会’(人医協)の‘密陽送電塔建設地域住民たちの健康権侵害実態調査報告書’を見れば、‘私は機会さえあれば自殺する’という質問に‘そうだ’と答えた住民たちが、調査対象者317人中34人(10.7%)に及んだ。 これら住民は自殺を単純に頭の中で思い描くことを越えて、いつでも実行しうる深刻な水準に該当する。 この比率を‘私は自殺したいとしばしば考える’と答えた91人(28.7%)と合わせれば、調査対象住民の10人に4人の割合で激しい自殺衝動に苦しめられているわけだ。
人医協は去る3~5日、密陽送電塔建設予定地付近の4ヶ面(丹場・山外・上東・府北面)住民317人を対象に自己記入式質問用紙を通した精神心理テストを行った。 調査対象者は平均64.1才だ。
住民たちはひどい憂鬱・不安感を訴えた。 住民の中で一般人平均より高い憂鬱症状を見せた人々が87.3%を占めた。 我が国の65才以上老人たちの憂鬱症状有病率30%内外に比べても3倍程高い数値だ。 一般人平均より高い不安症状を示した人々は81.7%であった。
住民たちの憂鬱・不安症状有病率は、同じ団体が昨年6月に住民たちを対象に行った調査結果より2倍以上急騰していた。 調査対象者が昨年の79人から今年は317人に大きく増えているが、苦痛を訴える住民比率までが急激に増えたのだ。 特に昨年より憂鬱感を訴える人々が最も増えた。
分析を行ったイ・サンユン人医協政策委員は 「初期に不安感が中心だった感情状態が憂鬱感に変わっていると類推できる。 不安感に比べて憂鬱感は慢性化、固定化されるため精神心理的疾患に転化する可能性が高いという点で深刻な状態」と話した。
住民たちが深刻に体験している憂鬱症状は‘私は全てのことが不満に思え苛立っている’(59.0%),‘私はあまりにも悲しくて不幸でとうてい耐えられない’(57.7%),‘私は将来がとても絶望的で良くなる見込みがないと感じている’(56.2%)等だった。 不安症状の場合‘安らかに休むことはできない’という感情を強く感じる人々が57.4%、‘非常に悪いことが起きそうな恐れを感じる’という感情を強く感じる人の比率が53.0%に達した。
イ・サンユン委員は 「すぐにも専門家の精神心理的介入が必要な人々が相当に多い。 だが、治療に乗り出すにしても、根本問題が解決されない限りその効果は制限的にならざるをえないことが根本問題という状況」と話した。
キム・ヒョシル記者 trans@hani.co.kr