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韓国、中国包囲する経済ブロック参加…防空区域牽制用 分析

登録:2013-11-29 22:11 修正:2013-11-30 09:06

中国 防空区域是正拒否の翌日
米国主導の経済協定参加を示唆
政府 "すでに内部的に結論
中国に数回明らかにし了解得ている"

一部では‘バイデン訪韓を控えて
韓・米・日 共助に傾くか’見解も

 政府が29日、防空識別区域を巡る米・日と中国の対立が尖鋭化するなど東北アジア情勢が微妙な状況で、事実上環太平洋経済パートナー協定(TPP)交渉への参加意思を明らかにし、その政治的背景に関心が集まっている。

 政府は事実、この間TPP参加有無を継続的に検討してきたし、すでに内部的には参加が避けられないという側に結論を下していた。 ただし、いつどんな方式で参加宣言をするかなどを置いて秤にかけてきたことという。 政府当局者は 「自由貿易協定は基本的に誰が先に関税恩恵を得て、誰が先に市場を占めるかという問題」として「TPP参加が遅れれば遅れるほど、それだけ我が国の経済に損という判断がすでに政府部内で下された状態」と話した。

 問題は政府が今回、事実上の交渉参加を宣言したTPPが米国のアジア帰還を意味する‘再均衡政策’において経済的に核心の役割を果たすという点だ。 中国は米国の再均衡政策に対して「中国を牽制し封じ込めるための戦略」とし警戒心を緩めていない。 米国は事実、中国のTPP参加に反対しないという立場を何度も明らかにした経緯がある。 しかし中国は現実的に過度なサービス産業規制と膨大な国営企業、粗雑な知識財産権保護などのために直ちにはTPPに参加しにくい状況だ。

 それでも韓国がこのように中国を包囲し封じ込める経済ブロックの性格を帯びたTPPに参加することは、韓-中関係を悪化させる素地があるという指摘が出ている。 キム・ジュンヒョン韓東大教授は 「我が国の交易量で中華圏が占める比重が30%を越えており、我が国の安保の死活的利害が絡んだ北核問題でも中国の協力が不可欠だ」として「それでも必ずこの協定に参加しなければならないなら、韓-中自由貿易協定(FTA)が進行される状況を見守ってからでも遅くない」と話した。 これに対して、政府当局者は「中国側には何度も我が国のTPP参加意思を明らかにしたし、中国もすでに‘そのような問題は韓国が処理する問題’として了解している」と話した。

 政府の今回のTPP交渉参加発表が、最近中国が一方的な防空識別区域設定で米・日と対決構図を強化している状況でなされた点に注目する見解もある。 中国は防空識別区域設定を巡り韓国とも葛藤を生じさせている。 韓国は28日、韓-中国防戦略会議で中国の防空識別区域の一部が韓国と重なっており、また離於島(イオド)上空を包括している点について中国側に調整を要求した。 しかし中国は「受け入れられない」として拒否した。

 このような状況がかみ合わさり政府がTPP交渉参加カードを中国牽制用に使ったのではないかという観測が出ている。 これに対して大統領府当局者は「来月3日から5日まで世界貿易機構(WTO)通産長官会議が開かれ、すぐ引き続いてTPP協定参加12ヶ国の閣僚会議が開かれる」として「この機会に我が国の立場を話すという判断から今回発表することになったことであって、政治的意味はない」と話した。 しかしジョー・バイデン米国副大統領の来週の韓・中・日3ヶ国歴訪を控えて今回の発表が出て来たことによって、韓国が今回の防空識別区域を巡る米・日と中国の葛藤局面で韓・米・日共助側に立とうとしているのではないかという疑いは避け難く見える。

パク・ビョンス先任記者、ソク・ジンファン記者 suh@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/613400.html 韓国語原文入力:2013/11/29 21:28
訳J.S(1637字)

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