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<追跡60分> 「国家情報院スパイ捏造」放送中止、「統合進歩党捜査に悪用 憂慮」との理由 論難

登録:2013-08-30 19:03 修正:2013-08-31 11:00

 <韓国放送>の看板時事番組である<追跡60分>が、31日に放送予定だった国家情報院(国情院)関連報道が放送を2日後に控え“放送中止”措置にあい、論難がおきている。

 韓国放送の<追跡60分>製作チームは「29日午後6時頃ペク・ウンギ時事製作局長から今週放送予定だった「ソウル市公務員スパイ事件無罪判決の転末」篇が放送できず、少なくとも2週間は放送を延期しなければならないという通知を受けた」と30日明らかにした。 ペク局長は統合進歩党に対する国家情報院の捜査に言及して「敏感な時期で悪用される可能性がある」ことを放送中止の理由に挙げ、「2週間後に放送がなされるよう局長職を賭ける」と話したと製作チームは伝えた。

 放送予定だった「ソウル市公務員スパイ事件」篇は華僑出身で脱北してソウル市公務員として働いていたユ・某氏が脱北者の身元情報を北に渡したという容疑で起訴された事件を扱った。 この事件を捜査した国家情報院はユ氏の妹から得た陳述を根拠としてユ氏を起訴したが、後になってユ氏の妹が「国家情報院の脅迫・懐柔により偽りの陳述をした」と明らかにして論議が起き、ユ氏は去る22日法廷でスパイ容疑について無罪を宣告されている。 製作チームはこの事件の転末を取材して29日には製作編集まで終えた状況だった。

 すでに製作編集まで終えたアイテムを放送の二日前に突然放送中止にさせると通知したことに対し、韓国放送内部で批判と憂慮が出ている。 放送中止および延期の通知の際に統合進歩党に対する国家情報院の捜査を理由に挙げたことが、特に不適切な部分として指摘されている。 韓国放送新労組はこの日声明を出して「<追跡60分>が取材した事件は国家情報院の無理なスパイ起訴を扱った内容で、事件自体が今回の統合進歩党の国家情報院の捜査とは全く別個の件」として「(これを放送中止にするということは)現在の統合進歩党内乱陰謀事件を担当している国家情報院に対する信頼を傷つけるようなことは一切やらないという政略的な発想にほかならない」と批判した。 <追跡60分>製作チームは延期も放送中止も受け入れられないという立場だ。

 <ハンギョレ>は放送中止および延期を通知したペク・ウンギ局長の立場を聞くために電話をかけたが、ペク局長は「今は通話できない」と言って電話を切った。 新労組が声明書で主張した内容に対して韓国放送広報室側は「会社の立場が整理され次第明らかにする」と伝えた。

チェ・ウォンヒョン記者 circle@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/culture/entertainment/601518.html 韓国語原文入力:2013/08/30 15:33
訳A.K(1217字)

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