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"朴槿恵(パク・クネ)政府、保守-進歩 反目 解消するかも"

登録:2013-03-31 20:34 修正:2013-04-01 07:38

朴槿恵(パク・クネ)政府の登場により再確認された韓国新保守主義勢力の政治的ヘゲモニーは持続できるだろうか?

 国内学者も容易に返答できないこの問題に対して、西欧ニューレフト(新左派)学派で永く韓国の社会変化に注目してきたキャビン グレー英国サセックス大教授(国際関係)が寄稿文を発表し注目を集めている。 彼は最近、英国ロンドンで発行された隔月刊<ニューレフト レビュー>(2013年1~2月)に‘独裁者の娘-韓国の政治文化’というタイトルの文を載せた。 グレー教授はこの寄稿文で "いくつかの面で" という留保条項を付けてはいるが、朴政府の‘可能性’にまず注目した。 朴大統領が韓国の政治・社会を支配してきた保守勢力と、それに対して戦ってきた中道左派リベラル勢力間の長期にわたる反目を宥和・和解の枠組みで解消し‘1987年体制’の限界を突破する契機を用意することもありうるという論旨だ。

 彼はその根拠として、朴大統領が慢性的な家父長的政治文化の改革を強調しており、経済民主化とより柔軟な対外政策を前面に掲げた点を挙げた。 伝統的に中道左派が先行獲得してきた政策を採用するそぶりを見せたということだ。 大統領選挙公約でも金持ち増税反対程度を除けば野党側と大差ない点等もまた別の根拠として提示した。

 もちろん新保守主義のヘゲモニー持続を断定するにはまだ早い。 わずか3%の票差だった大統領選挙の投票結果と与野党どちらにも偏らない地域別・世代別支持率を分析し、米国コロンビア大の韓国専門家チャールズ・アームストロング教授の話を引用して「韓国大統領が持つ政治的資産があっという間に消えてしまうこともありうる」と指摘したのもそのためだ。 それと共にグレー教授はキム・ヨンジュン国務総理候補者辞退の事実を指摘した。 今はハン・マンス公正取引委員長候補者まで辞退が続いて、新政府の人事と政策乱脈の様相がより大きく広がった状況だ。

 グレー教授はこのように流動的な韓国の政治状況を理解するために、韓国社会を長期間支配してきた保守エリート階級の形成過程を調べなければならないと指摘する。 韓国政治の特殊性は帝国日本の植民支配から始まったということが彼の見解だ。 日帝は植民支配と帝国膨張のための動員・搾取体制の下部協力者を養成し、収奪体制の手先として前面に出した。 日帝の敗戦後、親日支配勢力と被支配・民族勢力間の構図は逆転しなければならなかったが、新たに占領軍として来た米国はむしろこれを温存させた。 南側の効率的支配のために日帝統治体制をそのまま受け入れ、日帝と同じように反体制勢力を共産主義者(アカ)として追い立てた。 親日派 対 民族勢力の対決構図は、反共 対 共産党シンパという虚構的対決構図に代替され、親日付逆勢力は新生韓国の支配者となった。 韓国戦争により一層強固になったその対決構図の下、米国主導下で韓国の産業化が始まり、その恩恵階層が政治権力と広範囲な姻戚関係を結びながら韓国の親米・親日保守エリート階級は完成される。

 グレー教授は、韓国政治史がこの保守エリート階級とそれに対して戦った勢力間の長い闘争の歴史だと見る。 金大中・盧武鉉体制も古いエリート階級を新しい政治勢力に交替することには失敗した。 両極化を産んだ新自由主義政策導入と勢力交替の主軸になりうる労働勢力を抱えられなかったことが金・盧リベラル政権10年の限界という指摘だ。 彼は新自由主義リベラル中道左派政権は、保守勢力の攻撃というよりは、そのような限界による‘内破’で崩れたと解釈した。 グレー教授はまた、ソウルの真中にある米軍基地が象徴するように、韓国の運命を左右してきた外勢の影響力が今後も続くと見通した。

ハン・スンドン記者 sdhan@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/culture/religion/580576.html 韓国語原文入力:2013/03/31 20:08
訳J.S(1739字)

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