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[特派員コラム] 19代韓国総選挙も無効ではないか? /チョン・ナムグ

登録:2013-03-29 00:06 修正:2013-03-29 23:28
チョン・ナムグ東京特派員

 選挙の時、ある人には一票を与え、他の人には二票を与えるならば大騷ぎになるだろう。 これは平等選挙の原則にもとる。 ところで、ある人たちには200人当り一人の代表を選ぶようにし、別の人たちには100人当り一人の代表を選ぶようにするならばどうだろうか?

 日本で‘一票の等価性’問題が最近大きな論議になっている。 選挙区別に有権者数の差があまりに大きいためだ。 昨年12月16日の総選挙で、岡山県第2選挙区に出馬し当選した山下貴司 議員(自民党)は選挙法に違反したわけでもないのに、ややもすれば議員職を失う身となった。 広島高裁は選挙が無効だと26日判決した。 この選挙区の有権者数は、有権者数が最も少ない選挙区の1.43倍であり問題はさほど大きくない。 だが、裁判所は事実上、昨年の総選挙全体が無効だとし原告が訴訟を起こしたこの選挙区について無効判決を下した。

 昨年、日本総選挙で小選挙区別有権者数を見れば、高知県第3選挙区が20万5481人、千葉県第4選挙区は49万7350人だった。 最大格差は2.42倍であった。 日本の最高裁判所は2011年3月、選挙区別有権者数が最大1対2.3だった2009年8月の総選挙を違憲と判決した経緯がある。 当時、最高裁判所は政治的混乱を憂慮して選挙を無効にはしなかったが、一票の等価性に問題がないよう選挙区を再画定せよと注文した。

 しかし日本政界は1年9ヶ月が過ぎても選挙区の画定を直さずに、そのままで選挙を行った。 最小選挙区に比べ有権者数が2倍を越える選挙区が2009年の45ヶ所から昨年総選挙の場合には72ヶ所に増えるなど、問題はさらに深刻化した。 これに対して広島高裁は‘選挙無効’という非常に断固たる判決を下した。 他の裁判所の態度も非常に明らかに見える。 昨年の総選挙が一票の等価性に問題があるので無効と主張する訴訟に対して、今までに16ヶ所で判決が下されたが12ヶ所が違憲、2ヶ所は‘違憲であり無効’と結論付けた。

 我が国の状況はどうだろうか? 昨年4月の19代総選挙を控えて、選挙区画定委員会は人口偏差を平均人口を基準として上下50%、すなわち最小選挙区と最大選挙区の人口格差を1対3以内とするという原則を明らかにした。 実際の人口偏差は最高2.9倍程度であった。 日本の裁判所の基準で見れば、平等の原則から相当に外れている。

 わが国の憲法裁判所は一票の等価性問題と関連して、2001年 「1対4の差は違憲」と決め、違憲基準として1対3を新たに提示した。 しかし1対2が望ましいという意見も明らかにした。 ただし、行政区域および国会議員定数などを考慮する時、そのようにするには少なくない難点が予想され、議論を始めて5年にしかならないために相当期間が過ぎた後に1対2を選択できるという見解であった。

 国会立法調査処の調査によれば、外国の選挙区別人口偏差許容限度は、米国が1対1.22。ドイツは1対2、英国は1対2.3だという。 我が国も都市有権者が過小代表されている問題を正さなければならない。 日本では問題意識を持つ弁護士が政治改革運動次元でしつこく問題を提起してきた。

チョン・ナムグ東京特派員 jeje@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/580225.html 韓国語原文入力:2013/03/28 22:32
訳J.S(1482字)

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