宇宙開発の夢がつかつかと現実に近づいてきた。昨日1段階の韓国型宇宙発射体(KSLV-1)「ナロ(羅老)号」が私たちが製作した衛星を成功裏に目標軌道にのせた。1993年に1段型の固体燃料推進ロケットを開発して、2002年に推進力13t級液体ロケットを42.7km上空に打ち上げて以来10年ぶりのことだ。2002年‘国民の政府’が始動して2006年‘参与政府’がロシアとともに開発に乗り出して7年ぶりだ。これで韓国は衛星を運用する水準の宇宙利用国家として発射体を保有した宇宙開発国家に手をかけた。これまでじりじりしながら研究開発に専念してきた私たちの科学者と技術陣に拍手を送る。
宇宙技術はもう夢の先端技術でなく、現実の生活技術になって久しい。ナビゲーション、移動通信、気象観測、災害監視、資源探査などに活用範囲が急速に拡大した。現在運用している衛星を維持するためにも2020年から毎年1機程度ずつ衛星を打ち上げなければならない現実を考えれば、発射体開発は莫大な輸入に代わる効果と、関連産業の活性化効果を生む。先端製品の単位重量当たり価格は、乗用車の場合1t当たり2万ドルなのに比べて通信衛星は874万ドルに達するほど次世代の成長基幹産業でもある。
しかしナロ号の成功は宇宙開発のための中間段階をようやく抜け出したことを意味する。ロシアは主要発射体である1段ロケットとして彼らが開発した新型‘アンガラ’の完成品を提供した。当初技術移転を条件に技術協力協定を結んだが、ミサイル技術統制体制(MTCR)違反の論議の中でロシアは契約を曲げてしまった。韓国型発射体開発の完成は純粋に私たちの役割だ。もちろんその間独自に推進してきた研究開発を通じて確保した技術や、試行錯誤を繰り返したナロ号の発射を通じて蓄積した技術も相当にある。これは2010年から別途推進してきた韓国型宇宙発射体-2の開発を成し遂げる基礎になるだろう。
これまでの過程を考えれば多くの困難が予想される。ナロ号がフォークリフトのレベルならばトレーラに比喩される発射体-2の性能目標のためだけではない。実際その程度の推進力になってこそ実用衛星を軌道に上げることができる。さらに大きな問題はナロ号の開発過程に現れたように、行政と政治の行き過ぎた介入だ。自力開発の有無をめぐって行われた政策的行き違い、担当者の頻繁な交代、研究陣に対する外部干渉などは必ず解消しなければならない。これまで独立的な機構を設けようという要望が何度も提起されたのはこういう理由からだ。研究機能と事業機能を分離して効率性を高める手段も検討しなければならない。これらのすべての過程で政治は支援者の立場に留まるべきだろう。