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三星(サムスン)電子 露見した嘘… "死亡したパク氏は安全服を着ていた"

登録:2013-01-29 23:03 修正:2013-01-29 23:31
国立科学捜査研究院と環境部、京畿道(キョンギド)消防災難本部などで構成された合同鑑識班が29日、京畿道華城市(ファソンシ)の三星(サムスン)電子半導体工場で現場鑑識をしている。 この工場で去る27日午後、フッ酸ガスが漏れ出てバルブ修理作業をしていた協力業者職員1人が亡くなり4人が負傷した。 華城/ニューシス

CCTVで‘着用’確認…作業者などに責任押し付け 疑惑
"通常的補修" 説明、協力業者 "余裕がなかった" 陳述と食い違い
"流出量 極微" 主張、CCTVと異なり事件縮小の可能性
初動捜査に出た警察も‘保安’を理由に40分余り 出入りを阻まれた

 5人の死傷者を出したフッ酸漏出事故の隠蔽・縮小疑惑を買っている三星(サムスン)電子(株)が事故発生から収拾まで‘グローバル企業’という言葉が面目を失うほどの粗末な対処を繰り返し俎上に上がった。 釈明も一進一退して 一時は警察の現場調査まで阻んだとして批判を買っている。

 警察は29日未明、三星電子のフッ酸関連協力業者であるSTIサービス代表と安全管理責任者など2人を呼んで調査した。 彼らは「現場処理に汲々とし心の余裕がなく申告しなければという思いに至れなかった」と述べた。 しかし三星(サムスン)電子側はフッ酸漏出事実が明らかになった28日午後に釈明資料を出して「協力業者を呼び通常の維持・補修をした」 と明らかにした経緯がある。 致命的なフッ酸漏出について、協力業者は心の余裕がなかったが、本家の三星は‘特別なことではなかった’という態度を見せたわけだ。

 漏れ出たフッ酸の量も問題だ。三星は当初 「流出したフッ酸は2~3リットルの極微量なので別に問題がなかった」と明らかにした。 だが、29日に警察が確認した事故現場内の閉回路テレビ(CCTV)録画画面は‘白煙が床を覆い、前が濁るほど’に状況が急迫していた。 また、警告音を発するセンサーが作動する程にフッ酸が10時間余りにわたり漏れ出たことが確認された。 事故で火傷を負ったパク・某(33)氏は「去る27日明け方に勤務を交代した後、現場に入ってみると既存の勤務者らがタンクの下に当てておいたビニールからフッ酸があふれていた」と29日述べた。 三星側の発表を受け入れにくい理由だ。

 また、三星電子は 「事故で亡くなったパク・某(35)氏が耐酸服を着ていなかった」と明らかにした。 しかしパク氏と同僚たちは 「事故序盤には(パク氏が)防毒マスクだけをかぶっていたが、状況が大きくなった後半には耐酸服を着用して作業した」と抗弁した。 これに対し三星側は「再確認してみたところ遺族たちの主張が一部合っている」と翻意した。 録画画面にもパク氏が耐酸服を着ている場面が出てくる。 三星電子のこういう言葉変えについて、‘フッ酸漏出事故を作業者の単純過失に転嫁したり、その責任を協力業者に押し付けようとする試みではないか’という指摘が出ている。

 三星電子の事故収拾と対応も粗末だった。 致命的なフッ酸漏出を10時間以上にわたりビニール封筒で塞いでおいて、申告さえしない上に、事故事実を現場職員にまで隠していたせいで消防車の現場到着も40分余り遅れた。華城消防署テアン119安全センターは28日午後4時30分頃‘ガス漏出’指令を受けて出動したが、三星電子保安職員でさえそのような事実を知らず、消防車が工場内をさ迷って5時10分になって現場に到着したことが確認された。

 その上、三星電子は‘セキュリティー手続き’を前面に出して警察の事故現場への出入りを一時阻んだ。 ユ・ボグク華城東部警察署刑事課長は「捜査チームを急派したが、正門で保安手続きを主張されたために1時間以上も現場に入れなかった」と語った。 フッ酸漏出による産業災害に続き、大型2次被害が憂慮される現場を企業体が‘保安’を理由に警察を阻み立ったわけだ。

 5人の作業者が苦痛を訴えたが、彼らを直ちに専門病院へ護送しなかった。 三星電子は症状が深刻で、後に亡くなったパク氏だけを近隣の病院に搬送した後、漢江(ハンガン)聖心(ソンシム)病院に移送したが、他の職員4人は事実上放置した。 一部作業者は家族が病院に運んだ。

 非難の声が続き、三星電子は批判世論を遮断することに気を遣う姿を見せた。三星電子関係者は「当時専門家たちが現場の状況に合わせて判断したものと理解している。 わざと事件を隠そうとしたことはない。 警察の捜査を見て間違った点が出てくれば、それにともなう措置を取る」と話した。 事故が外部に知らされた昨日には、事故と関連した疑いに反論することを優先する姿を見せていた。

 警察は京畿地方警察庁と華城東部警察署で専門担当チームを設け、29日国立科学捜査研究院・漢江(ハンガン)流域の環境庁関係者たちと合同で現場鑑識を行った。 漏出事故の前後の状況を撮影した20時間分の閉回路テレビジョン録画画面を入手し分析中だ。 フッ酸ガスに露出して漢江聖心病院で治療中のソ・某(56)氏ら負傷者4人は治療を理由に警察陳述を拒否していると警察は伝えた。

華城/キム・キソン、ホン・ヨンドク記者、キム・ジンチョル記者 player009@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/area/571834.html 韓国語原文入力:2013/01/29 22:08
訳J.S(2297字)

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