現代自動車正規職労組が不法派遣問題の解決法として社内下請け労働者の正規職転換の代わりに経歴を認める新規採用方案を用意したことが分かり、労働界はもちろん労組内部からも批判が提起されている。 新規採用方式は不法派遣を認めないという意味と受けとめられるためだ。
10日金属労組現代車支部(正規職労組)と現代車非正規職支会の話を総合すれば、現代車使用側は先月末、社内下請け労働者3500人を2016年までに正規職として新規採用するという最終案を提示した。 現代車支部は非正規職支会が要求する‘不法派遣認定’と‘社内下請け労働者全員正規職転換’は現実的に難しいとみて、号俸を認める‘経歴職新規採用’方案で先月27日使用側と合意しようとした。 だが、非正規職支会が交渉場を封鎖したことにより対話が中断された状態だ。 支部は支会を非難して、蔚山工場送電鉄塔高空籠城を支援する正規職人材を撤収させ、会社は423人新規採用を強行するなど非正規職支会は孤立している。 正規職労組は昨年4月、非正規職支会と‘すべての社内下請け労働者の正規職転換’等6項目の共同要求案を確定した経緯がある。
このように現代車支部が事実上新規採用方式を受け入れ、非正規職支会だけでなく正規職内部からも批判が出てきている。 労組現場組織である‘金属民主労働者闘争委員会’は去る8日、印刷物を出して「不法派遣闘争により非正規職の身分が変わるだけに、主導者が同意しない中で合意するということはありえない。 執行部は最高裁判決により不法派遣を正して新規採用ではない正規職に切り替えなければならない」と主張した。 現代車蔚山1工場と3工場の正規職労働者43人も印刷物を出して「支部が主張する‘経歴認定新規採用’に労使が合意すれば、最高裁判決を受けても敗北するという先例を残すことになる。 不法派遣を否定することは会社側が得をするだけで、労働者には百害無益な利敵行為」と批判した。
パク・チョムギュ‘非正規職なき世の中作り’執行委員は9日‘現代車正規職労組ムン・ヨンムン支部長に’という公開手紙を通じて「経歴職新規採用は不法派遣を隠し最高裁判決を無視した現代車に免罪符を与えることだ。 ムン・ヨンムン支部長が戦わなければならない対象は非正規職労組ではなく現代車グループ チョン・モング会長」と強調した。 彼は続けて「2013年1月正規職労組執行部は不法労働の共犯として歴史に残るのか、正規職と非正規職の美しい連帯の開始になるのかの歴史的分かれ目に立っている」と付け加えた。
これに先立って現代車支部が属する金属労組法律院と民主労総蔚山労働法律院も 「不法派遣を認めない新規採用には問題がある」という立場を明らかにした。
現代車は去る7日から18日まで、夜通し労働の廃止にともなう昼間連続2交代試験実施が予定されていて、交渉は今月末頃になれば可能と見られる。 現代車関係者は「支部と‘経歴認定新規採用’という大きな枠組みについては話には出たが、経歴をどのように認めて算定するかは全く議論されていない。 支部の同意があってこそ3500人の新規採用が可能なだけに、対話をしなければならない」と話した。
キム・ソヨン、キム・ギョンナク記者 dandy@hani.co.kr