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[社説] キム・ジハ氏の無罪と検察の

登録:2013-01-06 23:26 修正:2013-01-07 01:13

 ソウル中央地裁刑事合議21部は4日(朴正熙政権の)維新時代である1974年に緊急措置4号違反の疑いなどで死刑判決を受けた詩人キム・ジハ氏に対する再審で無罪を言い渡した。検察は無罪判決に対して控訴の判断をまだ示していないものの、公訴しない見込みが強い。検察は昨年10月にこの事件の再審決定が下された時も特別な異見を示さなかった。

 検察はこれまで緊急措置再審事件についてことある毎に控訴もしくは抗告をして被害者の名誉回復と損害賠償の妨害をしてきた。最近もソウル刑事地方裁判所が緊急措置9号に違反した4件について再審決定を下すとすぐにソウル中央地検は即時抗告した。裁判所は緊急措置9号が違憲であることを細かく説いて再審開始の決定をしたが、検察が気にとめた様子はない。

 緊急措置違反事件の再審問題に対する検察の態度を見ると、実に厚かましく、政治的だ。検察は過去に‘維新検察’が政権の片棒を担いで無念な被害者を量産したことについて一抹の良心の呵責も悔いも見せていない。かえって過去の検察を擁護し正当化することに熱心だ。その上、朴正熙前大統領の娘である朴槿恵・大統領当選人の政治動向と相まって検察の姿は一層赤面させられる様相を見せている。

 検察の維新憲法擁護は、昨年6月の緊急措置4号事件の再審での無罪判決に対して控訴した際の理由書に克明に示されている。当時、ソウル中央地検パク・某検事は控訴理由書を通じて 「維新憲法は正当な手順を踏んで制定されており、維新体制の撤廃を求める学生たちに緊急措置違反と内乱予備陰謀罪で重刑を宣告した非常軍法会議判決は正しい」と強弁した。検察の論理が決して正常でないことを示す時代錯誤的な主張だ。

 このような脈絡から見ればキム・ジハ氏についての再審事件に対する検察の態度は過去の流れとは明らかに違う。キム氏が大統領選の過程で朴槿恵氏への支持を宣言し、朴氏も直接キム詩人を訪ねるなど両氏の関係は非常に密接だった。検察の控訴判断を最終的に見守らなければならないが、検察は今回も権力の顔色を敏感に伺うだろう。

 検察はどうか恥を知ってもらいたい。そして時代の流れを直視しなければならない。維新時代の緊急措置の問題については朴氏までが‘緊急措置補償法’を発議するほどに社会的な共感が作られている。検察はいつまで自分たちの狭い井戸に閉じ込もって過去の過ちを正当化するつもりなのか。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/568430.html 韓国語原文入力:2013/01/06 19:23
訳T.W(1130字)

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