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[社説] 政権移行期の愛妓峰電飾点灯は適切でない

登録:2012-12-22 21:13 修正:2012-12-24 08:32

 国防部が西部戦線最前方(最北部)の愛妓峰(エギボン)のクリスマス電飾塔の点灯行事を22日午後に行うことにした。当初国防部は今年の点灯行事を行わないことにしていたが大統領選挙の後、突然方針を変えた。朴槿恵大統領当選人の新政府スタートを前にして、北朝鮮を無駄に刺激するのではないかと心配されている。

 国防部による点灯行事強行方針への転換は釈然としない点が多い。国防部は韓国キリスト教軍宣教連合会が先月23日に点灯行事を取りやめた後、追加申請する団体がなく、行わない方に向かっていた。ところが大統領選の翌日である20日に点灯行事の申請機関があったとして、将兵の宗教活動を保証する水準で、22日から来年1月2日まで点灯する計画だと明らかにした。政府は点灯行事を要請する機関や教会があれば点灯することが原則だというものの、微妙な時期に南北関係に敏感な影響を与える事案についていとも安易に判断したと見える。

 北朝鮮は軍事境界線から600m程度離れている愛妓峰電飾塔を‘反共和国心理戦’として「点灯する場合、狙い撃ちして撃破する」と公言してきた。1954年に始まった愛妓峰点灯行事は2004年6月に軍事境界線地域での宣伝活動を中止して宣伝設備を全て撤去することにした第2次南北将軍級軍事会談の合意により中断され、2010年の天安(チョナン)艦事件と延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件を契機に再開された。昨年の場合、国防部は電飾塔の点灯を計画したが、金正日北朝鮮国防委員長の突然の死亡で取りやめた。

 まだ朴槿恵当選人の新政府がスタートしたわけではないため、決定責任者は現政権であることは事実だ。しかし北朝鮮を刺激するだけの点灯を朴槿恵当選人の当選直後に当初の方針を変えてまで押し切ることには問題がある。北朝鮮はどんな形であっても、朴当選人の意中が反映されたものと受け取る可能性が強い。そうでなくても南北関係が凍りついているというのに、朴当選者が初めから北朝鮮に対決指向的なサインを送るような行動は今後の南北関係を解決していく上で重荷になるだけだ。

 朴当選人は李明博政府よりは柔軟な形の対北朝鮮政策を展開すると公約した。北朝鮮の謝罪を対話の前提条件とするよりは、対話しながら問題を解決していくという立場を明らかにしている。朴当選者が対北朝鮮政策の変化を約束すると言っている以上、現政権が実施して論議をかもしてきた点灯は取りやめるのが当然だ。必要ならば朴当選人が中止を政府に要請することもできるはずだ。現政権も次期政府に負担を与える対決的な対北朝鮮政策はやめて、政権移行期は南北関係を円満に管理することに注力することを望む。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/566529.html 韓国語原文入力:2012/12/21 19:13
訳T.W(1233字)

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