軍当局が西海(ソヘ)から引き揚げた北韓長距離ミサイル(ロケット)残骸を14日、マスコミに公開した。 前日午前まで残骸物捜索と関連して一切公開しないという立場を変えたのだ。
北韓が12日ロケットを奇襲発射し対北韓情報分析能力に深刻な弱点を露出したわが軍が、ロケット残骸引き揚げを通じて世論喚起を試みようとしていると見られる。
国防部によれば海軍は14日0時26分頃、北韓が発射した長距離ロケット‘銀河3号’の残骸を8時間を越える引き揚げ作業の末に引き揚げた。 ロケット残骸は長さ7.6m、直径2.4m、重さ3.2tで1段推進体燃料タンクと推定される。
ロケット残骸回収と関連して前日午前まで軍の立場は断固としていた。 キム・ミンソク スポークスマンはブリーフィングを通じて「残骸回収活動と回収内容を公開する計画はない」とし「残骸回収有無はもちろん活動自体を公開しないことにした」と話した。
しかし、国防部はこのような立場をわずか三,四時間後に覆した。 午後のブリーフィングに姿を現したキム スポークスマンは「北韓のロケット1段推進体と見られる物体を12日午後に発見した」とし「発見地点は西海、辺山(ピョンサン)半島から西方に160kmぐらいの地点で水深は80mほどになる」と明らかにした。
あわせて残骸物捕捉と引き揚げ作業計画を比較的詳細に説明した。 海軍世宗大王艦は北韓がロケットを発射した後7分余りで1段推進体落下地点を捕捉した。 1時間30分後にはリンス ヘリコプターを飛ばし、ロケット残骸を確認した。 まもなく崔蛍艦が到着して浮漂を設置し引き揚げ準備作業を始めた。
残骸物の存在有無が初めて知らされた時まで軍は北韓のロケット発射と関連し、対北韓情報判断ミスによる冷たい視線を一身に受けていた。
当然そのはずで、北韓が技術的問題でロケット発射予告期間を一週間延長した後、軍では発射前日までロケットを解体し修理に入ったという情報が流れていた。
警戒態勢水準を下方修正してロケット発射TFチーム規模も減らすなど少なくとも直ちにロケットを発射することはないと軍当局は判断したと見られる。
しかし翌日に北韓が奇襲的にロケットを発射するや政界と言論は軍に向かって叱責を浴びせた。 すると軍当局は8時間を越える引き揚げ作業の末に原形そのままのロケット残骸物を引き揚げしたと詳細に知らせた。
このように重要な残骸物の場合、まず分析を終えた後に公開することが原則だが、軍は残骸物が平沢2艦隊司令部に到着するやいなや記者たちを呼び集めて大々的に公開した。
国防部関係者は「ロケット技術は胴体技術と燃料をどのように作るかという技術、エンジン技術などいろいろありえる」として「(残骸分析を通じて)燃料技術の一部、胴体を作る技術、力学的な問題、こういうものを把握できそうだ」と説明した。
だが、軍当局のこのようなロケット残骸物公開は非難世論を鎮火するためにする窮余の姑息な手法だという指摘だ。
ある軍事専門家は「軍がロケット残骸分析を通じて北韓が保有したミサイル技術を把握できるとし騒ぎ立てているが、実際北韓がミサイルをいつ撃つかは全く把握できなかった」として「対北韓情報力の限界を露呈した軍が世論を喚起させるために残骸物の公開を決めたのだろう」と話した。
ニューシス
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