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「アニマルホーダー」の過度の動物愛の結末は…

原文入力:2011/08/28 21:10(1383字)
ナム・ジョンヨン記者

遺棄に耐えがたいなので250匹育てる
再開発で飼育場撤去されて
犬、失踪したり「難民」境遇
「犬たちの根拠地用意してこそ」の声
大量飼育「動物虐待」憂慮も


仁川市西区梧柳洞の再開発地域には野良犬がうろついている。この春に撤去が始まり建物は残骸だけ残り、犬飼育場周辺では数多くの犬がワンワンと吠えている。

キム・キチョル(仮名)氏は1991年から動物病院などで捨てられた犬を引き取って育て始めたが、その数がいつのまにか250匹余りに増えた。ここがコムダン産業団地の場所に指定され再開発が始まり、移転先を探すが途方に暮れてしまった。

現場調査を実施した動物保護団体の動物愛実践協会は28日、「キム氏が犬たちを連れて行く所がないまま時が過ぎていき、結局、仁川都市開発公社の強制撤去によって、一瞬のうちに犬たちを難民にしてしまった」として「その間、犬は訳も分からず失踪したり、交通事故で死んだり、互いに噛んで喧嘩して死ぬなど、 結局150匹以上が消えた」と明らかにした。この団体は一部の犬がフィラリアやニキビダニなどに感染しており、命が危険な状況だと付け加えた。今でも飼育場には犬数十匹が残っていて、不安な日々を送っている。再開発を引き受けた仁川都市開発公社も一部だけ残した飼育場撤去をこれ以上先送りすることはできない状況だ。

かわいそうに感じる感情のために、過度に多くの伴侶動物を育てる人を「アニマルホーダー」(animal hoarder)と呼ぶ。攻撃的に動物に苦痛を加えないが、耐えられないほど増えた動物が狭く劣悪な環境に放置され、「動物虐待」につながることになり得る。

問題はアニマルホーダーにともなう被害を防ぐ妙案がないという点だ。伴侶動物は法的に個人所有のため、動物保護所移管など強制措置を取ることができないためだ。動物保護法も攻撃的行為のみを動物虐待と規定しており、刑事処罰も難しい。外国も同じではあるが、2005年アメリカ・ノースカロライナ州ではアニマルホーダーが育てる300匹を救助せよとの判決が下され、イギリスでは大量飼育者の飼育環境を点検するようにする法律制定運動が広がっている。

韓国でもアニマルホーダーによる社会的葛藤が増えている。これには、△無責任な飼育文化による遺棄動物増加△一般人の遺棄動物飼育忌避△動物保護所での遺棄動物安楽死慣行と、これに心を痛め、やたらに養子にするアニマルホーダーなどの様々な要因が絡み合っている。

パク・ソヨン動物愛実践協会代表は「時間が経つほど、のら犬たちの行動半径も広くなり、警戒心と独立心が強くなって駆除さえ難しくなるだろう」としながら 「仁川市とキム氏は犬たちの新しい根拠地を作るための対策を立てなければならない」と主張した。仁川都市開発公社関係者は「3月と6月に行政代執行を延期することさえした」として「最近はキム氏が犬たちを他の地域に移すなどして30匹余りだけ残っているが、徐々に問題を解決できると期待している」と話した。

ナム・ジョンヨン記者fandg@hani.co.kr
原文:https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/493723.html 訳 M.S