「ホルムズ海峡派兵」に向けた状況把握などのためにアラブ首長国連邦(UAE)をはじめとする中東地域に派遣されていた韓国国防部の現地調査団が10日に帰国したなか、大統領府は、海峡の安定への貢献策の一つとして「技術的支援」を検討していることを明かした。
大統領府のソン・ギホン広報コミュニケーション首席はこの日、文化放送(MBC)ラジオの番組に出演し、「ホルムズ海峡の正常化に対する責任ある貢献のあり方については様々なオプションがあるが、具体的なあり方はまだ最終的に決定されていない」として、「派兵オプションでないとすれば、技術的支援もありうるだろう」と語った。ソン首席は「ある人々は派兵というやり方で戦闘兵や非戦闘兵といった部分を考えうるだろうが、別のかたちでの貢献策もうまく見つけ出せるはずだとも思う」と述べた。「技術的支援とは何を意味するのか」という問いには、「政府内で具体的な貢献のあり方について考えがあるだろうし、検討されている」と答えた。一部では、海峡での機雷除去作業が取り沙汰されている。
ソン首席は、李在明(イ・ジェミョン)大統領が国賓訪問したフランスにも言及。「マクロン大統領も、ホルムズ海峡の航行の自由に貢献すること自体は参戦を意味するものではなく、米国の戦闘のための派兵を意味するものでもないと、はっきりと一線を引いている」として、「だとすれば、フランスも国際的に責任ある役割を果たすための方策の一つとして、様々なオプションを検討しているということ」だと述べた。
ソン首席の発言は、政府が派兵ではなく「第3の方策」も検討していることを示していると解釈される。ホルムズ海峡の安定に貢献せよという米国の圧力と、派兵するなというイランの警告の間で、「折衷案」として「技術的貢献」を検討しているということだ。与党や支持層の間でも根強い派兵反対世論を意識したとみられる。ただし、技術的貢献が米国の「派兵」に重点を置いた要求を相殺できるかは未知数だ。
このようななか、中東地域に派遣されていた国防部の現地調査団がこの日帰国した。調査団は近く、調査結果を国家安全保障会議(NSC)に報告する予定となっている。調査団は軍事拠点と寄港地を確認したほか、整備・補給などの現地の支援環境、作戦環境などを点検したとみられる。UAEには、米軍の代表的な中東内の基地であるアル・ダフラ空軍基地がある。政府はホルムズ海峡に派遣しうる資産として海上哨戒機P-8ポセイドンを有力視してきたことから、アル・ダフラ基地内の運用環境などを確認したとみられる。ただし、今回の調査団の活動は現地状況の把握段階であるため、直ちに派兵決定手続きにつながることはないとみられる。
政府は依然として、派兵には慎重な態度を示している。
ハン・ソンスク首相はこの日、国会の外交・統一・安保分野に関する対政府質問で、「手続きに則って国会の意見を聞かなければならない部分もあり、国民のコンセンサスを得なければならない部分もあり、複雑な部分であるため、慎重であるべきだと思う」として、「いくつかのシナリオを検討している」と語った。