本文に移動

24兆円超の債務抱える韓電、ウェスティングハウスの株を取得?

登録:2026-09-10 08:08 修正:2026-09-10 09:44
技術使用料の引き下げ、北米市場への進出期待は「希望的観測」 
投資失敗で韓国の電力消費者に負担転嫁される懸念
原発企業ウェスティングハウスが2014年、米国ジョージア州ウェインズボロ近くで新たな原発を建設している=ウェスティングハウスの映像より//ハンギョレ新聞社

 韓国政府が対米投資の一環として、韓国電力と韓国水力原子力を通じてカナダの私募ファンドの所有する原発企業「ウェスティングハウス」の株の取得を推進していることが明らかになり、物議を醸している。知的財産権紛争を経てウェスティングハウスにすでに技術使用料などを支払うことが決まっている中、210兆ウォン(約24兆円)を超える負債を抱える韓電が株の購入まで行うだけの実益があるのかと指摘されている。

 今回の議論は、チェコの原発受注をめぐる知的財産権紛争の末、韓電と韓水原が昨年1月にウェスティングハウスと結んだ合意と相まって、波紋を広げている。合意には、韓電と韓水原が今後50年間にわたってウェスティングハウスに対し、輸出する原発1基当たり1兆ウォン台の技術使用料と物品・役務購入費用を支払うなどの内容が含まれている。韓国は北米や欧州などの市場に独自に進出できない、との内容もある。

 このような中で、株取得がどのような実益をもたらすかは不透明だ。政府は、原発の設計などの基礎技術に対する権利や米国の原発事業への関与が保障されると期待しているが、「過度な楽観」だと指摘されている。

 エネルギー業界のある関係者は「韓国とは異なり、米国の原発事業は民間事業者が主導しているため、韓米の政府同士の協力や株の確保だけで事業への関与が保障されるとは考えにくい。さらに、韓電と韓水原が株の所有を理由に技術使用料の割引を受けるなどすれば、競争の公正問題が生じる。米国の市場競争秩序を知らずに言っていること」だと述べた。この関係者は「結局は韓電と韓水原がウェスティングハウスの株の一部を購入し、配当を受ける構造になるだろうが、公企業がなぜこのような危険な投資をしなければならないのかを説明すべきだ」と述べた。

 とりわけ、韓電の財務構造のぜい弱さに対する懸念は強い。韓電の負債は今年6月の時点で210兆ウォンを超えており、今年上半期だけで利子として2兆1000億ウォン(約2400億円)を支出している。市民団体「エネルギー正義行動」のイ・ホンソク政策委員は「ウェスティングハウスは世界の原発事業の停滞により、過去に4回も所有者が変わっており、(2006年に100%の株を買収した)東芝は、ウェスティングハウスのために東芝自体の経営状態が悪化した」とし、「公企業がこの投資にかかわるのは本当に慎重であるべき。単に原発に賛成か反対かにとどまらず、公企業の財政健全性の観点から考えるべき問題」だと指摘した。そして「過去のエネルギー公企業の海外投資の失敗例も振り返るべき」だと強調した。李明博(イ・ミョンバク)政権時代には石油公社、ガス公社、鉱物資源公社が「資源外交」を掲げて大規模な海外投資をおこなったが、数十兆ウォンの損失を被っている。

 イ委員は「資源会社とは異なり、韓電と韓水原は国内の電力供給を担っているため、投資で損失が生じると最終的に国内の電力消費者に負担が転嫁される」として、「投資規模や持株比率、購入価格などの合意条件を公開し、検証すべきだ」と強調した。

チャン・スギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/1277090.html韓国語原文入力:2026-09-10 05:00
訳D.K

関連記事