丸13日。グーグルに登録されたデジタル性犯罪物の被害者の個人情報が外部サイトにさらされていたことを、韓国政府が確認し削除するまでに要した時間だ。性平等家族部と放送メディア通信審議委員会(放メ審委)がグーグルに何度も抗議し、メールを送ってようやく投稿は削除された。グローバルなビッグテックが韓国市民の個人情報を好き勝手に流出させても、それを素早く是正できないという政府の限界が露呈したのだ。
性平等家族部が事態を知ったのは先月25日。グーグルで受理された削除要求をバックアップ・管理する米国ハーバード・ロー・スクール傘下の研究機関のプロジェクトサイト「A」(仮名)が、韓国国内のデジタル性犯罪被害者の個人情報や要請文などをそのままさらしていたことをハンギョレが把握し、関係省庁に通報したのだ。性平等部はまず被害者の氏名、学校、学籍番号、職場などの敏感な情報が含まれる47件の投稿について、削除するようグーグルとAサイトに要請した。放メ審委も、性暴力処罰法に規定された保護されるべき被害者情報であるとして、先月28日に投稿へのアクセス遮断を審議した。そして、グーグルとAサイトにも強く抗議するとともに、「関連する検索語がさらされている投稿をすべて削除」するようメールで要請した。やりとりが長引くほどAサイトの存在が外部に知られる危険性があるため、一刻を争う状況だった。
しかし被害者の個人情報は、6日過ぎた8月31日の早朝に至るも、はっきりとインターネット上に残っていた。性平等家族部と放メ審委は「グーグル側の対処が遅い」、「削除すると言ったのに、まだやっていない」と焦りを募らせた。政府機関が事実上、グーグルの決断ばかりを待っている状況に置かれたのだ。それらの情報は翌日の1日になってようやく削除された。その後も、被害者の個人情報がさらされている投稿が次々と発見されたため、取材陣は手作業で一つひとつ探し出し、直ちに政府に削除を要請しなければならなかった。
防メ審委のサイト遮断権限も何の役にも立たなかった。防メ審委は国内機関で唯一、違法情報が掲載されているインターネットページを遮断する法的権限を有している。問題は技術力だ。放メ審委の現在の遮断技術力では、セキュア接続(https)サイトや暗号化されたサイトは突破できない。その結果、Aサイトの投稿を緊急審議した後も遮断はされなかった。結局、性平等部と放メ審委は、グーグルとAサイトに再度削除を要請しなければならなかった。
その過程で被害者の選別も起きた。ハンギョレが把握した被害者の個人情報をさらす投稿には、BJ(インターネット放送の司会者)のものもあった。しかし放メ審委は「被害者自身が撮影した映像であるため、デジタル性犯罪物とはみなしがたい」として、遮断審議の対象としなかった。放メ審委が定義するデジタル性犯罪物は「当事者の同意なき撮影・流布」だが、BJはライブストリーミング撮影に同意したのだから性犯罪物ではない、との趣旨だ。被害を受けたBJは、他人が二次的に制作した録画映像やその流布には同意していないのはもちろん、無断撮影だとして削除を求めているにもかかわらず、恣意的な基準で被害者が選別されたのだ。性平等部も「BJの件は放メ審委がダメだと言った」として、消極的な態度を示した。両機関は取材陣の数回にわたる抗議を受けてようやく、グーグルにその投稿の削除を要請した。