SKグループのチェ・テウォン会長に対し、「アートセンター・ナビ」のノ・ソヨン館長に離婚に伴う財産分与として9440億ウォン(約1000億円)を支払うよう命じる破棄差し戻し審の判決が下された。「(ノ・ソヨン館長の父親である)盧泰愚(ノ・テウ)元大統領の裏金300億ウォン」を基にしたノ館長の(財産形成への)寄与が認められなかったにもかかわらず、1兆ウォンに近い財産分与額が認められた。これは、チェ会長のSK株式が夫婦の共同財産として認められた上、ノ館長への財産分与の割合を、最高裁による破棄差し戻し前の控訴審(35%)と同様に3分の1として算定したことによるものとみられる。
ソウル高裁家事1部(イ・サンジュ裁判長)は24日午後2時、チェ会長とノ館長の財産分与などに関する事件の破棄差し戻し審の判決言い渡しで、チェ会長がノ館長に対し、現金で財産分与額9440億ウォンと遅延損害金を支払うよう命じた。裁判所が分与対象となる夫婦の共同財産として算定した金額は、2兆ウォン台のSK株式を含め、約3兆ウォン。
裁判所はノ館長側の寄与を認め、財産分与の対象にSK株を含めた。裁判所は「婚姻期間中、チェ・テウォンの経営活動によりチェ・テウォンが保有する株式の価値が大幅に増大しており、これに対しノ・ソヨンの家事および育児、SKグループに対する対外的活動が寄与した」と判断した。
しかし、裁判所はSK株価の上昇に対するチェ会長側の寄与などを考慮し、財産価額の算定時点を破棄差し戻し審の弁論終結日の先月26日ではなく、二審の弁論終結日の2024年4月16日と定めた。二審の弁論終結日にはSKの株価が16万ウォン台だったが、破棄差し戻し審の弁論終結日には株価が81万ウォン台へと約5倍上昇していたため、破棄差し戻し審においてどの時点を基準に財産が分割されるかが争点となった。裁判所は「差し戻し前の控訴審の弁論終結日以降、差し戻し審の弁論終結日までにチェ・テウォンの保有する株式の株価が大幅に上昇したが、これはチェ・テウォンの経営的貢献が影響を及ぼさなかったとはいえない」と述べた。さらに、価格変動の激しい株式の特性を挙げ、「裁判上の離婚確定後、株式の処分有無などによる収益や損失を、婚姻関係が解消された夫婦双方に分担しなければ、夫婦の共同財産の公平な清算・分配という財産分与制度の目的に著しく合致しない結果をもたらすとは断定しがたい」という判断を示した。事実上、破棄差し戻し審の前に離婚が確定していたにもかかわらず、その後、株価の変動による利益を一方に与えるのは、公平な財産分与とは言えないという趣旨だ。
裁判所は「盧泰愚元大統領の裏金300億ウォン」の財産形成への寄与度を除外した上で、財産分与の比率を「1対2」(ノ・ソヨン対チェ・テウォン)と算定した。裁判所は「最高裁の差し戻し判決の趣旨に従い、仮にチェ・テウォンに対するノ・ソヨンの父親からの支援金があったとしても、これは分与比率の算定において考慮しない」と述べた。これに先立ち、最高裁は昨年10月、ノ館長の父親である盧泰愚元大統領の裏金300億ウォンをノ館長側の寄与として認められないなどの理由から、チェ会長に財産分与額1兆3808億ウォン余りの支払いを命じた控訴審判決を一部破棄した。二審では財産分与比率をノ館長35%、チェ会長65%としたが、最高裁の判決などにより、ノ館長の比率が33.3%へと一部下方修正された。裁判所はこれと関連し、「双方の協力によって築き上げられた夫婦の共同財産の公平な分配のため、差し戻し前の控訴審の弁論終結日以降、チェ・テウォンが保有する株式の価値が大幅に上昇した点を考慮した」と説明した。
チェ会長とノ館長は1988年9月に結婚した。2015年、チェ会長はあるメディアを通じて婚外子の存在を公表し、2017年7月に離婚調停を申し立てたが、決裂した。これを受け、2018年にノ館長を相手取って離婚訴訟を提起し、ノ館長も2019年12月にチェ会長を相手取って反訴を起こした。離婚訴訟の一審裁判所は2022年12月、チェ会長がノ館長に対し、慰謝料1億ウォンと財産分与として現金665億ウォンを支払うべきとする判決を下した。二審は2024年5月、チェ会長が支払うべき慰謝料を20億ウォン、財産分与額を1兆3808億ウォンへと大幅に増額した。最高裁は財産分与について部分破棄したが、慰謝料20億ウォンは確定した。
チェ会長の代理人は同日、判決直後に記者団に対し、「約20年に及ぶ婚姻解消の過程で、昨年の最高裁判決により離婚が確定し、本日、財産分与に関する破棄差し戻し審の判決が下された」とし、「チェ会長はこれまでの過程で多くの方々に心配をおかけしたことについて、申し訳なく思っている」と述べた。さらに「判決に対する具体的な立場については、判決文を綿密に検討した上で申し上げる」とし、再上告の計画については具体的に明らかにしなかった。