韓米首脳会談を通じて原子力協定改正問題を議題に上げた韓国政府が、協定を改正する代わりに、既存の協定に含まれている規定を活用して核燃料製造のための「ウラン濃縮」権限を確保する案を進めていることが27日に確認された。
複数の政府関係者によると、「李在明(イ・ジェミョン)大統領は韓米首脳会談で原子力協力問題を議題として取り上げ、ドナルド・トランプ米大統領も『議論しよう』と述べた」という。政府は当初、韓米原子力協定を改正する案を推進したが、既存の協定の規定を活用し、ウラン濃縮権限を確保する案を米国側と有力に協議しているという。協定を改正するためには米国議会の同意が必要だが、協定の有効期間が10年も残っているため、「米国との合意があればウラン濃縮が可能」という既存の規定を活用する迂回路を選んだのだ。
2015年に改正された韓米原子力協定は使用済み燃料の再処理とウラン濃縮を禁止しているが、第11条に基づき2国間で高官級委員会の協議を経て書面約定として合意した場合、ウランを20%未満で濃縮できると定めている。
ウィ・ソンラク国家安保室長は25日(現地時間)、韓米首脳会談後に開いた記者懇談会で、「原子力協力についても首脳の間で意味のある議論があり、これからさらに議論が進むだろう」と述べた。ウィ室長は「具体的にどんな進展があったのか」という質問に「詳しい内容は今は公開できない」として慎重な態度を示したが、ウラン濃縮権限の確保をめぐる議論は首脳間で話し合われた議題の中で「意味のあるもの」の一つに挙げられる。
政府はこれを実現するために、米国の核拡散の懸念を払拭することに焦点を合わせている。韓国は原発の割合が高く、使用済み核燃料が増え続けているうえ、原発の海外受注をする際も燃料サイクル技術を含むパッケージを提供することが競争力の要素である点を強調し、「エネルギー戦略」などの側面で議論が必要だという主張を展開している。
これに先立ち、チョ・ヒョン外交部長官も18日の国会外交統一委員会の全体会議で、韓米首脳会談を通じて韓国が重要視すべきこととして原子力発電分野を挙げ、「私たちが望んでいるのは、産業または環境的側面」だと述べた。