本文に移動

ブランソン司令官、在韓米軍削減の可能性を示唆…「数より能力」

登録:2025-08-11 06:31 修正:2025-08-11 07:13
ブランソン司令官、一部の域外への再配置の可能性に言及 
「戦作権の移管を繰り上げれば戦力が危うくなる」
ザビエル・ブランソン在韓米軍司令官が8日、京畿道平沢市のキャンプ・ハンフリーズで記者懇談会を行っている=在韓米軍提供//ハンギョレ新聞社

 ザビエル・ブランソン在韓米軍司令官は「(在韓米軍の削減や調整に)関連する決定があるだろう」とし、「私は数ではなく能力について考えている」と述べた。ブランソン司令官はこの日、「数よりは能力」が重要だと数回にわたり強調し、現在2万8500人規模の在韓米軍の一部を域外に再配置する可能性を示唆した。

 ブランソン司令官は8日午前、京畿道平沢(ピョンテク)のキャンプ・ハンフリーズ在韓米軍司令部でおこなった国防部記者団との懇談会で、「在韓米軍に変化が必要だと考える」とし、このように語った。ブランソン司令官は同日、在韓米軍司令官として、韓米同盟の現代化や在韓米軍の戦略的柔軟性、台湾海峡問題などについて説明した。李在明(イ・ジェミョン)大統領とドナルド・トランプ大統領の初の首脳会談を控え、在韓米軍の戦略的柔軟性など韓米同盟が両国の懸案としてあがっているため、司令官の関連言及が注目される。

 この日、ブランソン司令官は北朝鮮を「核武装国」(anuclear-armed adversary who's north of the border of us)と称し、「韓国軍への戦時作戦統制権(戦作権)の移管を早めるために近道を選ぶと、朝鮮半島の戦力の準備態勢を危うくする恐れがある」とし、戦作権の移管に慎重な態度を示した。

 ブランソン司令官は在韓米軍の削減について司令官としての立場を尋ねる質問に「在韓米軍に変化が必要だ」と答えた。そして、在韓米軍の再配置および兵力の削減に対する具体的な立場は明らかにせず、「(削減や調整に)関連する決定があるだろう」とし、「私の考えでは、その議論は純粋に数に関する議論ではなく、任務のためにここに利用可能な能力に関する議論になるだろう」と述べた。

 さらに、兵力の規模よりも能力が重要だという趣旨の主張を繰り返した。そして、第5世代ステルス戦闘機であるF35などの在韓米軍への配備を例に挙げ、現在の陸軍中心の在韓米軍の変化の可能性を暗示した。

 戦略的柔軟性に対する質問には、在韓米軍から中東に再配置したパトリオット砲隊を例に挙げ、「時間、空間、必要に応じて戦力を配置できる能力がまさに戦略的柔軟性」であり、「このような能力を常に保有することを目指している」と述べた。さらに「朝鮮半島内で遂行した訓練のおかげで、最も高い準備態勢を整えたパトリオット砲隊を中東に再配置した」とし、「我々の戦力がどのように割り当てられており、現在どこに配置されているのかを総体的に見て、より大きな問題を解決するために、どのように活用できるかを考えることが将来求められるだろう」と語った。米国がイスラエルの防衛作戦のために在韓米軍パトリオット砲隊を循環配置したように、在韓米軍もインド太平洋地域の安全保障状況によって移動しうるという意味とみられる。

ザビエル・ブランソン在韓米軍司令官が8日、京畿道平沢市のキャンプ・ハンフリーズで記者懇談会を行っている=在韓米軍提供//ハンギョレ新聞社

 ブランソン司令官は「同盟の現代化」を目指す背景について、北東アジア地域の脈絡が変わったことを強調した。司令官は「この地域で発生する状況がこの地域に孤立・限定されると信じるのは危険な考え」だとしたうえで、「韓米同盟はいかなる協定と合意にも特定の敵対勢力を明記していない」と述べた。さらに、「北朝鮮に核武装した敵対勢力があり、北朝鮮とともにロシアの(域内)関与も増えている。中国も自由で開かれたインド太平洋地域を脅かしている」と強調した。この過程で、北朝鮮を核武装した敵対勢力と称したことが目を引く。また「武器と軍事技術を北朝鮮とやりとりしているロシアは脅威ではないか」と記者団に反問し、韓米同盟が北朝鮮だけでなくロシアやその他の脅威にも備えなければならないと強調した。

 西海(ソヘ)における中国の構造物の設置と軍事訓練の拡大については、「南シナ海で見せた姿と奇妙なほど似ている」とし、「西海に関して、(中国の)資産を監視・感知・理解・標的化できる我々の能力は誰よりも優れている」とし、「大韓民国の主権が他国に侵害される可能性があることを留意しなければならず、韓米同盟はこれを容認しない」と述べた。

 台湾海峡問題と関連しては、「米国が台湾を支援するから、韓国も(米国と行動を)共にすべきだと要求するという結論が出たかのように考える必要はない」とし、「大韓民国に要請されたのは、北朝鮮を相手にするのにより大きな力を発揮してほしい(より大きな役割)ということであり、他のこともできるよう同盟を現代化しながら柔軟性を発揮してほしいということだ」と説明した。

 戦作権の移管については当初の合意どおり進めるべきだと強調した。「合意された条件に基づいた戦作権の移管計画がある」とし、「既に設定された(既に合意された)方向に引き続き進めていけば、うまくいくだろう」と述べた。さらに「だが、簡単な近道を選んだ場合、朝鮮半島内の戦力の準備態勢を危険にさらすことになるだろう」とし、「その条件が充足される時に、戦作権の移管が行われるものであって、これを履行しながらその条件を変えてはならないと考える」と語った。韓国国内で「複雑で難しい戦作権の移管条件を変え、戦作権の移管にスピードを出すべきだ」という声があがっているが、司令官はその考えがないということだ。

 韓米合同演習の一部の野外機動訓練の日程を来月に調整したことについて、「私も関与した演習関連の決定事項について問題はないと思う」と述べた。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1212468.html韓国語原文入力 2025-08-10 20:47
訳H.J

関連記事