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尹錫悦前大統領。背景はソウル拘置所=写真共同取材団/ハンギョレ新聞社、聯合ニュース

　尹錫悦（ユン・ソクヨル）の頑強な拒否で、キム・ゴンヒ特検チームによる逮捕状の執行がまたも失敗に終わったことで、政界の内外からは「人としてありえない悪質な振る舞いであり、狼藉（ろうぜき）だ」という鋭い批判の声が相次いでいる。

　与党「共に民主党」は7日のムン・グムジュ院内報道担当名義の論評で、「国民の忍耐は限界に達している」として、「特検はひたすら国民を信じて尹錫悦を直ちに逮捕せよ」と述べた。キム・ゴンヒ女史の疑惑を捜査するミン・ジュンギ特別検察官チームはこの日午前8時25分ごろ、ソウル拘置所で逮捕状の執行を指揮したが、尹前大統領に強く抵抗され、負傷の懸念があるなどで1時間25分で執行を中止している。論評はこれに対する反応だ。

　尹前大統領の弁護団に所属するペ・ボユン、ソン・ジンホの両弁護士はこの日午後1時、ソウル瑞草区（ソチョグ）のソウル高等検察庁前で記者会見を行い、「10人あまりの若い人が取り囲んで、両側から座っている大統領の腕をおさえて足をつかみ、そのまま車に乗せようとした」と主張した。両弁護士は、この過程で椅子が後ろに倒れて尹前大統領が床に落ちて腰を負傷し、令状を執行する人々に腕を強く引っ張られ、尹前大統領が「離してくれ」と訴えてようやく強制的な力から脱することができた、とも明かした。

　オ・ジョンヒ特検補は尹前大統領の弁護団の主張について、「逮捕状の執行に必要な最小限の物理的な力を使った。裁判所が容疑者の収監状況まですべて考慮して適法に発行した令状を適法に執行したもの」と述べた。

　民主党は「令状執行を中止するとは、いったいどれほど激しく抵抗したのか」として、「国民が内乱首魁（しゅかい）の健康を心配したり負傷を心配したりするか。国民は法の厳しさがまともに実現できていない現実を嘆いている」と批判した。

　野党の「祖国革新党」もこの日、ユン・ジェグァン首席報道担当名義の論評で、「取り調べと逮捕状執行を相次いで拒否したことは、人としてありえない悪質な振る舞いであり、狼藉」だとして、「直ちに逮捕状の再発行を受け、迅速かつ厳正に執行し、法の厳正さ、法執行に例外はないという常識を改めて確認しなければならない」と主張した。容疑者の物理的な抵抗で逮捕状の執行が失敗に終わるという悪しき先例を残してはならないということだ。

　同党は、尹前大統領との一般人の接見を無期限に制限するとともに、逮捕状の執行過程で撮影されたウェアラブルカメラの映像の公開を検討するよう求めた。さらに「法務部と矯正当局は刑事司法システムを凄惨に破壊した怪物に、法の認めるあらゆる措置を直ちに検討して取るべきだ」と述べた。

　特検チームは尹前大統領を適切な方法で制圧すべきだった、とも指摘されている。キム・ヨンナム元議員はこの日、ユーチューブチャンネル「メブルショー」に出演し、「執行現場でそのように反抗され、物理的な力を使ったなら、後手に手錠をかけるべきだった」と述べた。同じ配信に出演した民主党のチェ・ガンウク前議員も、「供述を拒否するなら調査室ですべきであって、今後はあらゆる人が逮捕状が発行されたら供述を拒否するつもりだから逮捕に応じないというのを放置するもの」と指摘した。