尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領に対する裁判所の拘束前被疑者尋問(令状実質審査)を控え、与党からは拘束令状の発行を確信する反応が相次いでいる。
与党「共に民主党」のパク・チウォン議員は8日、ユーチューブチャンネル「メブルショー」に出演し、「今夜は尹錫悦がエアコンの中で眠る最後の日」だと述べた。裁判所は尹前大統領の拘束令状を発行するだろう、との見解だ。
内乱事件を捜査するチョ・ウンソク特別検察官(特検)チームは6日、特殊公務執行妨害、虚偽公文書作成などの疑いで尹前大統領の拘束令状を請求しており、ソウル中央地裁は9日午後2時15分から、ナム・セジン令状担当部長判事の審理で令状実質審査を行う予定になっている。結果は10日未明ごろに出るとみられるが、結果が出るまで尹前大統領は京畿道義王市(ウィワンシ)のソウル拘置所で待機する。
■「夏の拘置所は地獄…暑ければ水を浴びて暮らす」
拘束令状が発行された場合に尹前大統領が拘禁されるソウル拘置所の収容居室には、エアコンがない。パク議員が拘束令状の発行を確信しつつ、あえてエアコンに言及した理由もここにある。冬だった尹前大統領の初拘束時とは異なり、近ごろは猛暑であることから、拘置所で過ごすのは非常に不快であることが予想される。8日のソウルの昼の気温は37度を超え、7月上旬(1~10日)としては1907年の気象観測開始以降の最高値を記録している。
実際に、夏の懲役の厳しさはすでによく知られている。李明博(イ・ミョンバク)元大統領もソウル東部拘置所に収監されていた際、猛暑による睡眠時無呼吸症候群、糖尿病の悪化などで入院している。朴槿恵(パク・クネ)元大統領も、ソウル拘置所では凍らせたミネラルウォーターと扇風機だけで猛暑を過ごした。
パク議員は「ソウル拘置所に3年いたが、どれほど暑いか分かるか。非常に暑いが、天井で小さな扇風機が回っていて、時間になると止まる」と語った。そして「(暑くて)眠れないから併設のトイレで昼夜を問わず水をくんで浴びるのだが、看守にうるさいからやめろと言われる。(尹錫悦も)経験してみるべき」、「夏は地獄だ。今夜はエアコンをダブル(2倍)でつけておくといい」と付け加えた。
民主党のチョン・チョンネ議員も7日のフェイスブックへの投稿で、「(尹前大統領は)100%拘束されるだろう」との見通しを示した。ソウル拘置所で2度も拘禁された経験を持つチョン議員は、「すべての荷を降ろして心を空にすれば、それでも何とかなる」として、「『自分の家だ』と思って懺悔(ざんげ)しながら過ごしてほしい」と述べた。