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尹支持勢力に担がれたハン・ドクス前首相、与党大統領候補脱落…党員の反対で幕引き

登録:2025-05-12 06:43 修正:2025-05-12 08:33
ハン・ドクス前首相が11日、ソウル汝矣島の選挙陣営事務所で記者会見を終えた後、移動している/聯合ニュース

 ハン・ドクス前首相が大統領選出馬宣言からわずか8日で退場した。内乱容疑の被疑者である「内乱代行」の出馬には名目がないという批判と官権・事前選挙運動との指摘にもかかわらず、2日に「国が無責任な政争で崩れるのを放置してはならない」として大統領選への出馬を宣言したハン前首相は、強制的な候補交代の試みという与党「国民の力」の極端な内部政争に加担したが、結局「醜態をさらし、50年間にわたる官僚生活を終えた」(ホン・ジュンピョ前大邱市長)と評されることになった。

 ハン前首相は11日、ソウル汝矣島の選挙事務所で記者会見を開き、「大統領選出馬決定前後に私に送ってくださった応援と叱責を重く受け止める」とし、「一人の平凡な市民に戻る」と述べた。前日夜、国民の力の党員たちが「ハン・ドクス候補への変更」投票を否決した後に出した立場表明文では、「国民と党員の意思を謙虚に受け入れる」と述べた。 党内部の親尹錫悦(ユン・ソクヨル)派を中心に「ハン・ドクス擁立論」が持ち上がってから約1カ月での幕引きだ。

 ハン前首相の出馬説は、憲法裁判所がハン前首相の弾劾訴追案を棄却し、大統領権限代行業務に復帰してから約2週間後の4月8日、ハン前首相が尹錫悦前大統領の側近であるイ・ワンギュ法制処長らを大統領任命枠の憲法裁判官に指名したことで火がつき始めた。 ハン前首相は同日、ドナルド・トランプ米大統領との電話会談で、大統領選出馬について「悩んでいる」と述べるなど、出馬説を否定しなかった。さらに、今月1日に首相を辞任する日まで、外国首脳との電話会談や韓米関税交渉、慶尚道と全羅道地域への訪問など、権限代行の地位を出馬準備に利用し、「国庫で事前選挙運動を行った」という批判を受けた。

 ハン前首相は、与党の候補が確定する前日の2日、大統領選出馬を宣言した。この席にはキム・ギヒョン議員やチュ・ギョンホ議員など親尹錫悦派議員が同席し、ハン前首相が「キム・ムンス-ハン・ドクス一本化」を主張する親尹錫悦派に全面的に頼っていることを示した。ハン前首相の一本化要求に対し、予備選で大統領選候補に選ばれたキム・ムンス候補が「党内選挙も行わずに、なぜ遅れて登場し、請求書を突き付けるのか」、「自分を擁立せよということなのか」と反発すると、ハン前首相は「すべてを党に一任する。11日までに一本化が実現しなければ、中央選挙管理委員会に候補登録をしない」と党指導部に圧力をかけた。

 これは結局、ハン前首相の足を引っ張るブーメランとなって返ってきた。辞退を拒んできたキム・ムンス候補側が出した大統領選候補の地位認定と党大会・全国委員会禁止仮処分申立てが9日に棄却されたことで、勝機をつかんだと判断した党指導部とハン前首相側は同日夜、直ちに党候補を替える作業に着手した。ハン前首相は10日午前3時から4時まで1時間に制限された新しい大統領選候補登録申請時間に合わせて、入党書類とともに必要な32種類の書類を提出した。「ハン・ドクス候補推戴」と変わらない状況で、党の予備選挙に参加した人たちと非尹錫悦派の議員らは強く反発した。10日午後9時まで行われた「ハン・ドクス候補への変更」の賛否投票で、党員たちもハン前首相に背を向け、反対票を投じた。

チョン・グァンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1196881.html韓国語原文入力:2025-05-11 22:16
訳H.J

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