最大野党「共に民主党」から大統領選に出馬するイ・ジェミョン候補の選挙法違反事件を、有罪を趣旨として破棄し差し戻した最高裁に対して、民主党からは激しい発言が相次いでいる。強硬な親イ・ジェミョン派の議員の間では「チョ・ヒデ最高裁長官の弾劾」まで取り沙汰されているが、逆風を懸念して自重すべきだとの見解も強い。
2日にソウル瑞草洞(ソチョドン)の最高裁前で行われた民主党議員による糾弾記者会見では、最高裁長官の弾劾などの強硬な主張が相次いだ。同党の政策委議長を務めるチン・ソンジュン議員は、「少し前に我々は、最高裁は目を覚ませ、糾弾すると叫んだが、本当は『弾劾しよう!』と叫びたい」として、「大統領選挙をわずか30日後に控えたこの時期に、国民の選択に影響を及ぼそうとし、司法権力を利用して大統領候補の資格を剥奪しようという非道な試み、反民主的な試み、反法治的な試みを断固として遮断し阻止する責任が、民主党にはあると考える」と述べた。
パク・チュミン議員も「手続き的に異例で、内容的にも妥当でないこのような非常識な判決が下されうるということは、そもそも強い意図があったのではないかと私たちは疑っている」とし、「そのような意図がある判決のことを、私たちは政治判決と呼ぶ」と述べた。そして「この政治的行為によって民主主義が崩壊するのは容認できない」として、「民主党はフルスイングする。持てる権限をすべて使う」と述べた。
チョン・ヒョンヒ最高委員は「イ・ジェミョン候補の公職選挙法の裁判を異例の速さで進めてきた最高裁の本音は、内乱勢力によるイ・ジェミョン殺しへの同調だ」とし、「大統領選挙をわずか33日後に控えて起きた最高裁の明白な大統領選への介入であり、司法クーデター」だと述べた。
そして「チョ・ヒデ最高裁判事が職権で全員合議体に事件を回付してからたった2日で、最高裁は審理を終結した」として、「A4用紙6万枚分の記録が2日で読めるのか。最高裁判事たちがチャットGPTでなければ不可能ではないか」と述べた。
チョン最高委員は「大統領の不訴追特権に刑事裁判の中断が含まれるということは、論争の余地のない憲法学界の圧倒的多数説だ」としつつも、「しかし、すでに信頼を失った最高裁に国の運命を預けることはできない。民主党は必ず憲法学界の多数説を刑事訴訟法に明文化する」と述べた。