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衝撃に陥った韓国の民主党、「司法府の大統領選挙介入…有力候補に足かせ」

登録:2025-05-02 06:46 修正:2025-05-02 07:52
共に民主党のイ・ジェミョン大統領選候補が1日、ソウル鍾路区のある屋台食堂で「あなたの一日を作る、見えない英雄たち」というテーマで開かれた配達ライダー、宅配運転手など非典型労働者との懇談会に出席している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 韓国最高裁が1日、最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン大統領選候補の公職選挙法違反容疑事件を有罪の趣旨で破棄差し戻したことを受け、「上告棄却」を予想していた民主党は衝撃に陥った。民主党の議員たちは「企画裁判」、「司法府の明白な選挙介入」だと糾弾し、チェ・サンモク副首相兼企画財政部長官などの弾劾に乗り出すなど、全面戦に突入した。最高裁のこの日の判決で、保守陣営の「ハン・ドクス大統領作り」が現実化していると判断したからだ。

 この日、最高裁がイ候補の選挙法事件を有罪の趣旨でソウル高等裁判所に差し戻したことを受け、イ候補は「ひたすら国民だけを信じて堂々と進む」と(フェイスブックに)発信し、大きな動揺もなく日程をこなした。最高裁の判決の際、イ候補は非典型労働者との懇談会に出席しており、破棄差し戻しのニュースを聞いたのはその後だったという。

 イ候補と違って、民主党は激昂した反応を示した。一審で懲役1年に執行猶予2年を受けたが、控訴審で無罪に覆されたので、民主党議員のほとんどは「裁判日程を考えると、上告棄却以外の結論はありえない」と見通していた。パク・チャンデ党総括選挙対策委員長は同日、判決後に開かれた議員総会で、「圧倒的な支持を受ける次期大統領選候補に罠をかけ、足かせをはめようとする不純な意図が明らかになった。このクーデターは結局失敗に帰結するだろう」と述べた。

 民主党は、中央選挙管理委員会の大統領選候補登録を9日後に控えて迎えた不意の一撃を、最高裁による大統領選介入への意図とみている。さらには、大統領選挙後も裁判を続け、最高裁が選挙結果を覆す可能性もあるというのが民主党の懸念だ。選対委の主要関係者は、「今日の判決で、(与党)国民の力は大統領選挙期間中、イ候補に出馬資格がないと攻勢を繰り広げることができるようになった」とし、「(イ候補が)大統領になっても裁判に呼ばれるようになったり、最悪の場合、大統領任期中にも刑の確定に引きずり下ろすことができるという意志を示した」と述べた。

 破棄差し戻しの判決(午後3時)直後、ハン・ドクス大統領権限代行首相が大統領選出馬のために辞任(午後4時)したことについても、民主党は「ハン・ドクスとチョ・ヒデ(最高裁長官)が共謀したのか」(キム・ミンソク常任共同選対委員長)という疑念を抱いている。保守陣営が一丸となってイ候補を揺さぶり、ハン前首相を次期大統領にしようとする情況だという。

 このため民主党は、再び権限代行を務める予定だったチェ・サンモク副首相はハン前首相と「一体」であるため公正な大統領選挙管理ができないとみて、チェ副首相の弾劾案の議決を試みた。本会議での表決途中にチェ副首相が辞任したことで、これは不発に終わったが、シム・ウジョン検察総長の弾劾の試みは残っている。民主党は内乱の主導者たちの捜査が公正に行われていないとして、同日、シム総長弾劾案を所属議員170人が共同発議し、直ちに本会議で法制司法委員会に回付した。民主党は10日の法司委の全体会議で、イ候補の判決に関する緊急懸案質疑もする予定だ。 この日午後の議員総会では「司法府への対応なので慎重にすべき」という意見も一部出てきたが、強硬論の方が大きく、その後の院内指導部と最高委員らの会議を経て出された対策だ。

 民主党はソウル高裁が速度戦で大統領選挙前に罰金100万ウォン(約10万円)以上を言い渡し、イ候補が被選挙権剥奪の危機に直面する場合、最高裁に再上告する「遅延戦術」を展開する計画だ。法律支援団のパク・ギュンテク副団長は非公開の議員総会で「高裁が早く裁判を進めれば10日以内にも結論を出すことができるが、私たちが(破棄差し戻し審の結果の)通知を受けて上告する過程で時間を引き延ばすことができる」と説明したという。選対委の主要関係者は「弁護人たちは量刑を下げるための法律的対応を最大限しなければならず、私たちは私たちなりにキャンペーンを推し進めるほかはない」と話した。

オム・ジウォン、キ・ミンド、リュ・ソグ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1195415.html韓国語原文入力:2025-05-02 00:50
訳H.J

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