韓国の最大野党「共に民主党」は、ハン・ドクス大統領権限代行首相のマ・ウンヒョク憲法裁判官候補の任命拒否について、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の復帰に向けた陰謀」であり、「さらなる戒厳の画策」だとし、「重大な決断を下す」と述べた。民主党がハン権限代行に示した「任命期限」は4月1日。
パク・チャンデ院内代表は30日、国会で記者懇談会を開き、「(ハン権限代行の)マ・ウンヒョク候補の任命拒否は、2人(ムン・ヒョンベ、イ・ミソン)の裁判官が退任した後、大統領が指名する2人の憲法裁判官を任命し、『弾劾棄却』決定に導こうとする工作だ」とし、「『尹錫悦の復帰に向けた陰謀』であり、『さらなる戒厳の画策』だ」と述べた。さらに「ハン権限代行が4月1日までに憲法守護の責務を履行しなければ、民主党は重大な決断を下す」と語った。再びハン権限代行に対する弾劾に乗り出すという意味だ。
民主党は4月第1週金曜日の4日を尹大統領罷免宣告の期限に設定している。党関係者は「(この期限を越えたら)国会はあらゆる権限を使うことになるだろう」と語った。その「権限」には後任者が指名されない状態で任期が満了する憲法裁判官の場合、任期を延長する案を法制化することも含まれている。民主党はこのような内容を盛り込んだ憲法裁判所法改正案を31日の法制司法委員会法案審査小委員会と4月1日の法司委全体会議で議決する方針だ。
民主党指導部はただし、一部の初当選議員が主張しているような、マ候補者を任命するまで国務委員を次々と弾劾するという「国務委員連続全員弾劾」は否定した。パク院内代表は「(連続全員弾核の)実行計画については検討していない」と述べた。院内指導部関係者は「(全員弾劾は)状況を変えられる実益もなく、国民にも良い印象を与えない」と述べた。
民主党の「ツートップ」は相反するトーンで憲法裁に迅速な罷免決定を求めた。パク院内代表は「(憲法裁判官が)尹錫悦の罷免ではなく、国を破滅に導く決定を下すなら、新乙巳五賊(1905年の第2次韓日協約に賛同した大韓帝国の5人の閣僚)として歴史に汚名を残すだろう」と主張した。一方、イ・ジェミョン代表は同日、フェイスブックへの投稿で、「憲法裁判官の皆さんもまた大韓民国の運命を決めるこの重大な局面で、宇宙全体の重さほど重責を背負って不眠の夜を過ごし、苦心を重ねていると考えられる」としたうえで、「速かに国民皆のための賢明な決定をしてくださるよう求める」と述べた。できるだけ穏健で落ち着いた表現で、憲法裁に「圧力」を加える形を避けながら、尹大統領の早急な罷免を求めたものとみられる。