尹錫悦(ユン・ソクヨル)弾劾審判の判決日程が4月に持ち越されるほど評議が長くなるにつれ、憲法裁判官の間で意見の相違が大きく、決定が難航しているという分析が有力視されている。最悪の場合、ムン・ヒョンベ憲法裁判所長権限代行とイ・ミソン裁判官が退任する4月18日までに結論が出ない可能性もあるという懸念の声も上がっている。
2月25日、尹大統領弾劾裁判の弁論が終結した後、遅くとも3月中旬には決定宣告が出るだろうという期待が多かった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領と朴槿恵(パク・クネ)元大統領弾劾事件の場合、2週間以内に結論が出ており、特に12・3非常戒厳宣布の違憲・違法性が裁判を通じて明確になったためだ。3月中旬には、20日か21日の判決を目標に、評議が順調に進んでいると把握されていた。
しかし、宣告日程が決まらないなど、雰囲気が急変したことで、今後の日程さえ見通しが立たなくなった。最後の争点整理過程で、これまで沈黙していた誰かが「別の声」をあげたものと推定される。24日、ハン・ドクス首相弾劾宣告では、尹大統領弾劾事件の行方を推し量ることができるという予想とは裏腹に、憲法裁は全くヒントを残さなかった。むしろ5(棄却)対2(却下)対1(認容)で、裁判官が「分化」したことだけが確認された。
裁判官がどのような点において意見の相違があるかをめぐり、憲法裁の外部では様々な分析が飛び交っている。まず、決定文の作成などの手続き的問題が指摘され、時間がかかっているとみられている。検察の調書と弾劾裁判での陳述に違いがあるが、決定文の草案が検察調書を基盤に作成されており、これを法廷陳述に変えるのに時間がかかっているという推定だ。判決があまりにも遅くなり、尹大統領弾劾事件の罷免に必要な認容の定足数6人に達しないのではないかという懸念の声もあがっている。
6人以上が認容の意見を出さなければ、罷免は成立せず、尹大統領は職務に復帰する。元最高裁判事は30日、ハンギョレとの電話インタビューで「こんなに遅くまで結論が出ないのは、定足数6人を満たしていないからかもしれない。一人が別の意見を出したことで、それに同調した人が出てきた可能性もある」とし、「棄却や却下の論理がいくらつじつまが合わなくても、裁判官がそのように主張して意見を貫くと、方法がない」と語った。
マ・ウンヒョク憲法裁判官候補が任命されていない中、「8人体制」で5対3に分かれているなら、簡単に終止符を打つことができないという分析もある。延世大学法科大学院のイ・ジョンス教授は、「意見が5対3で分かれる可能性もある。これまで空席の裁判官1人が変数になりうる事件の決定宣告はなかったため、内部で長考せざるを得ない状況かもしれない」と語った。
4月まで持ち越された尹大統領弾劾宣告の最終ラインはムン・ヒョンベ裁判官とイ・ミソン裁判官が退任する4月18日だ。4月10日は両裁判官退任前の「8人体制」でできる最後の定期宣告日だ。憲法裁は弁論が終結したパク・ソンジェ法務部長官の弾劾事件も「8人体制」で結論を出す方針だという。結論を出さなければならない「課題」が山積しているのだ。
このような状況で、両裁判官の退任までに尹大統領弾劾事件の結論が出ない可能性まで取りざたされている。裁判官の間で激論が続き、尹大統領弾劾案の結論を出すことができず、両裁判官が退任するかもしれないということだ。
こうなれば、憲法裁は再び「6人体制」に戻り、事実上任務の遂行が不可能な状態になる。
西江大学法科大学院のイム・ジボン教授は「決定文を整えるのにここまで時間がかかるとは考えられない。政治的な考慮をして時間を引き延ばす裁判官がいるのではないかと疑われる」とし、「国民が承服できる決定を速かに下さなければならないのに、すでに適期が過ぎた。憲法裁判の決定は説得力のある内容も重要だが、時期も重要だ」と指摘した。