全北特別自治道(全羅北道)がソウル特別市(ソウル市)を退け、2036年夏季五輪誘致の国内候補都市に選定されたことで、誘致の潜在的なライバル国にも関心が集まっている。
全羅北道は28日、ソウル松坡区(ソンパグ)のソウルオリンピックパークテルで開かれた大韓体育会の代議員総会で49票を得て、11票にとどまったソウル市を退けて国内誘致候補地に決まった。全羅北道は、地方連帯を通じた均衡発展をコンセプトに、1988年に五輪を開催した経験とインフラを掲げたソウル市を退けた。
全羅北道は、2036年の五輪招致意向書を大韓体育会を経て国際オリンピック委員会(IOC)に提出すれば、本格的な招致競争に飛び込む。現在、2036年の五輪開催に積極的に関心を示しているのはインド、インドネシア、トルコ、チリなど。五輪初開催に挑戦するインドは、招致意向書をすでにIOCに提出している。インドネシアも開催の意志が固い。トルコのイスタンブールは2000年、2008年、2020年の五輪開催を推進したが、シドニー、北京、東京に敗れている。
「オイルマネー」を前面に押し出した中東諸国の今後の動きも関心を引く。2030年アジア大会を開催するカタールのドーハ、2034年のサッカーワールドカップを開催するサウジアラビアなどが五輪開催候補地として取り沙汰されている。「大会後に残るのは大規模な赤字」という厳しい視線が向けられているため、IOCおよびスポーツの国際機関は中東諸国での開催を比較的好む。2029年冬のアジア大会もサウジアラビアのネオムで開かれる。
2036年夏季五輪の開催地は、来年または2027年のIOC総会で決定される見通し。2028年は米ロサンゼルス、2032年はオーストラリアのブリスベンで開催される。2032年五輪は、ソウル市が2019年に釜山市を退けて国内の誘致候補地に選ばれたが、IOCがブリスベンを優先交渉都市に選定したことで、誘致は失敗している。