尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領が12・3非常戒厳を宣布する前、「キム・ゴンヒ女史も戒厳の計画を知らない」と国務委員に語ったことが、30日に確認された。キム女史が広範囲に渡って国政に関与しているという疑惑がこれまで持ち上がってきたが、尹大統領の発言が事実ならば、12・3非常戒厳はキム女史にも知らせず、秘密裏に企画・推進された「親衛クーデター」であるわけだ。
尹大統領は昨年12月3日午後9時ごろ、大統領室に到着したハン・ドクス首相、イ・サンミン行政安全部長官（当時）らに、「（非常戒厳宣布計画について）これは誰も知らない。妻さえも知らない。秘書室長も知らないし、首席（秘書官）も知らない。妻がかなり怒るだろう」と話したという陳述を警察が確保した。実際、大統領室の参謀たちも尹大統領の非常戒厳計画を全く知らなかったということは、すでに明らかになった事実だ。しかし、キム女史が非常戒厳に関与したかどうかについては、これまで知られていなかった。検察の取り調べの結果、尹大統領は昨年3月から側近たちに非常戒厳を宣布する意向を示し、昨年8月と10月に官邸でキム・ヨンヒョン前国防部長官、ヨ・インヒョン前防諜司令官、クァク・チョングン前特殊戦司令官、イ・ジヌ前首都防衛司令官らと食事をしながら、「非常大権（大統領権限）」を言及したことが明らかになった。官邸でも「内乱謀議」が行われたわけだが、尹大統領は国務委員らに「キム女史も知らない非常戒厳」だと説明したのだ。
尹大統領はまた、国務委員らに対し、「（非常戒厳は）長くはないだろう。その場の思いつきではない。弾劾のため、（国政運営が）到底無理だ」と述べたという。国務会議直前になって非常戒厳宣布の事実を知ったチョン・ジンソク大統領秘書室長は会議直前、国務委員に「この時代に非常戒厳とはあり得ない」と反対の意を明らかにしたという。さらに、チョン室長とホン・チョルホ政務首席が尹大統領に会って引き止めたが、尹大統領は非常戒厳宣布を強行した。
訳H.J
