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【独自】「尹候補1位の世論調査」行った未来韓国研究所、分析専門員0人の未登録会社

登録:2024-11-21 06:22 修正:2024-11-21 07:11
ミョン・テギュン氏が実際に所有していたとされる未来韓国研究所=クァク・チンサン記者//ハンギョレ新聞社

 「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領夫妻の公認介入疑惑」事件の中心人物であるミョン・テギュン氏が実際に運営したという世論調査会社「未来韓国研究所」は、社会調査分析士の資格を持った分析専門員が1人もいない未登録会社であることが確認された。にもかかわらず、未来韓国研究所は先の大統領選挙期間中、尹錫悦候補(当時)のために81回も世論調査を行い、尹候補側に報告したという。

 大統領選挙期間中に未来韓国研究所の副所長を務めたカン・ヘギョン氏は20日、「国政監査で証言したように、未来韓国研究所は大統領選挙のあいだ尹大統領のために3億7520万ウォン(約4160万円)をかけて81回にわたり世論調査を行った。このうち、ミョン氏の指示によって自主的に実施した未公表の世論調査23件は、大半が操作されたもの。大統領選の10日前から毎日実施した9件の世論調査は特にそうだ」と語った。残りの58件は、登録会社「PNR」に依頼して行った公表調査だった。公表調査を行う場合は、報道機関とPNRに共同依頼する形で進められた。

 カン氏は「PNRに依頼した公表調査は操作できなかったが、独自で実施した非公表調査はミョン氏の指示により操作した」と語った。独自の未公表の世論調査は選挙管理委員会に申告する必要がないため、特定の候補を有利あるいは不利に作り上げて悪用しても摘発が難しい。

 中央選挙世論調査審議委員会に確認した結果、未来韓国研究所は2018年8月22日の設立当時から昨年4月に廃業する時まで、ただの一度も世論調査会社として登録したことがなかった。中央選挙世論調査審議委の規定上、世論調査会社として登録するためには、社会調査分析士の資格を持った分析専門員がいなければならない。昨年7月31日以前までは社会調査分析士の資格を持った分析専門員1人以上を含め常勤の従業員3人以上雇用しなければ登録できず、それ以降は分析専門員3人以上を含め常勤従業員5人以上を雇用しなければならないという規定だった。しかし、未来韓国研究所には分析専門員が1人もいなかったため、世論調査会社として登録することができなかった。世論調査会社登録制は2017年5月9日から施行され、20日現在、全国に登録された世論調査会社は慶尚南道の2社など計58社。

 未来韓国研究所は選挙世論調査の操作で告発5回、書面警告2回、起訴1回など8回も摘発され、罰金600万ウォン(約66万円)などの処罰を受けた。選挙世論調査関連犯罪で懲役刑または100万ウォン以上の罰金刑を言い渡された場合、登録が取り消され、登録取り消し日から1年間は登録申請ができない。しかし、未来韓国研究所は未登録会社だったため、処罰を受けても登録取り消しを心配する必要がなかったわけだ。

 選挙世論調査を行う際には、信頼性と客観性を確保するため、特定の政党や候補者に有利または不利な結果をもたらす標本抽出枠を使用してはならない。これについてカン氏は「ミョン氏の指示で性別、年齢別、地域別の構成比率を調整したのはもちろん、500人を調査したのに2千人を調査したかのように標本数を膨らませたこともあった」と語った。2021年9月29日にミョン氏が「尹錫悦(の支持率)を少し上げてホン・ジュンピョより約2%リードさせてくれ」とカン氏に指示する録音記録も先月公開された。また、非公表の世論調査の結果を他の人に公開することは違法だが、カン氏は「ミョン氏は尹大統領に自分を売り込むために、世論調査結果を操作して報告した」と語った。

 中央選挙世論調査審議委員会は「先月29日に討論会を開くなど選挙世論調査制度の改善を急いでいる。調査日程の公開禁止、会社者登録要件の強化、選挙世論調査の品質評価制度の導入などを検討している」と明らかにした。ミョン氏は、世論調査費用3億7520万ウォンの対価を受け取り、2022年6月の国会議員補欠選挙で与党「国民の力」のキム・ヨンソン前議員が公認を受けられるようにしたという疑惑を持たれている。

チェ・サンウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/yeongnam/1168318.html韓国語原文入力:2024-11-2020:21
訳H.J

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