韓国の一部の保守団体が、ハン・ガン氏のノーベル文学賞受賞をめぐり、「歴史歪曲作家にノーベル賞を与えた」と主張し、駐韓スウェーデン大使館前で抗議デモをおこなっていたことが分かり、眉をひそめられている。
17日にユーチューブに投稿された映像を見ると、大韓民国愛国団体協議会、国家非常対策国民委員会、太極旗革命国民運動本部などの6つの保守団体は14日、ソウル中区(チュング)の駐韓スウェーデン大使館前で記者会見を行い、ハン・ガン氏にノーベル文学賞を授与したスウェーデン・アカデミーを糾弾している。参加者は10人あまりで、60~70代と推定される。
彼らは「大韓民国歴史歪曲作家ノーベル賞、大韓民国赤化加担スウェーデン・アカデミー糾弾」と書かれた横断幕を掲げ、「フィクションとノンフィクションの区別がつかない未来世代に誤った思想が刻み込まれことを考えれば胸が張り裂ける。偏向した歴史歪曲の肩を持つ、ノーベル賞の権威を失墜させたスウェーデン・アカデミーを糾弾する」とする声明を発表した。彼らは集会後に声明を大使館に渡したと主張している。
ハン・ガン氏のノーベル文学賞受賞後、一部の保守勢力は、5・18光州(クァンジュ)民主化運動を扱った『少年が来る』、済州4・3を背景にした『別れを告げない』などのハン・ガン作品は歴史を歪曲しているとの主張を展開し、受賞の意味をわい小化し、こき下ろしている。この日の集会でも、ある参加者は「ノーベル文学賞は非常に問題の多い賞だ。スウェーデンの知識人たちはぼけている」、「スウェーデンは多くの移民を受け入れたため犯罪天国になった」などの根拠のない主張を展開した。
オンライン・コミュニティーやユーチューブなどでは、「国の恥」だとして彼らの行動を非難するネットユーザーの反応があふれている。あるネットユーザーは「大韓民国から立派な作家が出て、さらに励まして祝ってあげるべきときに、年配者たちが何やってんだか」と批判している。他に「外国人が見るかと思うと怖い」というコメントもあった。