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死亡した韓国公務員、大統領夫人のブランドバッグ事件の終結過程で圧迫に苦しんでいた

登録:2024-08-10 06:11 修正:2024-08-20 11:40
権益委局長、遺体で発見 
死亡した局長「捜査機関に送るべき」 
副委員長と対立してきたものとみられる
尹錫悦大統領夫人のキム・ゴンヒ女史が昨年9月13日、チェ・ジェヨン牧師から贈られたディオールのバッグの入った紙袋を前に、チェ牧師と話している=「ソウルの声」ユーチューブ動画よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 8日に遺体で発見された国民権益委員会(権益委)のK局長は、同委員会で清廉政策と清廉調査評価、腐敗影響分析、行動綱領、採用不正の統合通報業務などを総括する腐敗防止局長だった。6月、権益委が尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領夫人のキム・ゴンヒ女史のブランドバッグ受け取り事件を「違反事項なし」で終結処理する過程で、激しい圧迫と自責の念に苦しんでいたというのが知人や同僚たちの陳述だ。

 キム女史のブランドバッグ受け取り事件は、権益委の全員委員会(全員委)でも処理方向をめぐり委員たちの間で激しい意見の衝突が起きた。当時、全員委で同事件の終結処理を主導したのは、ユ・チョルファン委員長と尹錫悦大統領に近いとされる副委員長3人だった。これに対し、一部の委員は「このまま終結すれば世界に恥さらしだ」、「斡旋収賄罪も十分に成立する余地がある」、「賄賂とみなされる余地も十分あり、斡旋収賄と関連した構成要件も外形的に備えている」、「権益委が大統領を補佐しているという誤解を招きかねない」、「公の場で受け取ったわけではない品物は大統領への贈り物とみなせない」などと反論し、終結処理を防ごうとした。この過程で、ある委員がブランドバッグを「賄賂」と言うと、副委員長のうちの一人が「そのような言葉は使うべきではない」と制止する場面もあった。

国民権益委員会//ハンギョレ新聞社

 攻防が続いたことを受け、一部の委員たちが無記名投票を提案したが、「前例がない」という理由で拒否され、挙手で進められた表決で、キム女史事件は終結9票、捜査機関への移牒3票、送付3票で、最終的に終結処理された。「移牒」は犯罪容疑があるとみるとき、「送付」は犯罪容疑が確実ではないときに事件を捜査機関に送る決定だが、キム女史事件では委員6人が終結ではなく捜査機関に送るべきという判断を示したのだ。調査実務を総括したK局長も、事件を終結処理せずに捜査機関に送るべきという意見を示したという。権益委内部では、K局長が全員委を前後して上級者のチョン・スンユン副委員長と対立したという話も出ている。

 その後、チェ・ジョンムク非常任委員は事件終結処理から約1週間後の17日、「重大な不正と判断しうる問題が容疑なしで終結処理されたことについて責任を取る」として辞任した。現職の権益委員が特定事件の処分結果を批判して辞任したのは極めて異例のことだ。

 K局長は7月24日、権益委のキム女史ブランドバッグ受け取り事件の処理問題を扱った国会政務委員会の全体会議に出席し、「大統領室の請託禁止業務担当者は誰か」というチョン・ジュンホ議員(共に民主党)の質疑に対し、「今回の事件調査と関連した内容であるため、申し上げることはできない。申し訳ない」と答弁した。

ソン・ヒョンス記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1152941.html韓国語原文入力:2024-08-09 15:37
訳H.J

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