韓国政府は、日本の総務省が先日LINE(ライン)ヤフーにネイバーとの資本関係を見直すよう行政指導を行った状況に関し、「ネイバー側の要請を全面的に尊重し協力している」という立場を示した。
韓国外交部のイム・スソク報道官は4月30日、「今回の事案については韓日間でも意思疎通が行われている。政府はネイバー側と緊密に協議しており、ネイバー側の要請を全面的に尊重して協力している」とし、「今後も必要な場合、政府は日本側と意思疎通を続けていく予定」だと述べた。外交部は同日、「ネイバー側と緊密に協議しており、ネイバー側の要請を全面的に尊重し協力している」という別途の立場表明も行った。
昨年11月、ネイバークラウドがサイバー攻撃によってマルウェアに感染し、一部内部システムを共有していたLINEヤフーで個人情報の流出が発生したことを受け、日本の総務省は今年3月5日と4月16日の2回にわたり通信の秘密保護およびサイバーセキュリティ確保のための行政指導を実施した。日本政府は2回の行政指導でLINEヤフーに「ネイバーとの資本関係の見直し」を含む経営体制の改善を要求した。
日本政府の圧迫でソフトバンクがLINEの株式買収交渉に乗り出したことで、ネイバーが13年間育ててきた「日本の代表的なメッセンジャーアプリ」LINEの経営権が日本に渡るのではないかという懸念が高まっている。LINEヤフーの株式はネイバーとソフトバンクが設立した合弁法人Aホールディングスが約65%を保有している。ソフトバンクとネイバーは、LINEヤフーの中間持株会社に当たるAホールディングスにそれぞれ50%ずつ出資しており、両社が実質的な親会社だ。ソフトバンクがネイバーから株式を買収して筆頭株主になれば、ネイバーはLINEの経営権を失うことになる。
外交部は27日、初めて政府の立場を発表し、「韓国企業に対する差別的措置があってはならないという確固たる立場」だとしたうえで、「必要に応じて日本側とも意思疎通を図っていく方針」を示した。最近は、在日韓国大使館関係者が日本総務省の関係者と接触し、現在の状況について意見を交わすとともに、韓国の立場を伝えたという。
科学技術情報通信部は4月29日、「日本国民の個人情報流出事故にともなう後続の行政指導と関連したもので、韓日の外交関係とは別の事案」だとし、「科学技術情報通信部はネイバーと協議を続けており、今後も関連動向を注視し、支援が必要な場合はこれを提供していく予定」だという立場を示した。